内容説明
上がらぬ賃金、円安と世界インフレ、社会の閉塞感―。「日本離れ」が始まった若者や外国人労働者たちの本音に迫った渾身ルポ。SNSで話題沸騰の番組を完全書籍化!日本に見切りをつけた若者たちのリアル。
目次
第1章 安いニッポンから「海外出稼ぎ」へ(安定した職を捨て、海外へ向かう若者たち;未経験でも月収50万円 ほか)
第2章 若者たちの「静かなストライキ」が始まった(若者たちの本音;日本を飛び出し、30歳で海外へ ほか)
第3章 「外国人労働者」が日本に来なくなる日(日本における「外国人労働者」の重要性;記録的な円安と、外国人労働者の声 ほか)
第4章 外国人労働者を受け入れる試み(外国人労働者の人材確保;技能実習性から特定技能へ ほか)
インタビュー 「海外出稼ぎ」現象の背景と、日本経済の未来―渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授)
外国人労働者に「選ばれる国」になるために―毛受敏浩(日本国際交流センター執行理事)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かずぼう
29
ワーキングホリデーで、働く日本の若者の大半が延伸又は永住も考えているという。確かに円安の影響や、賃金が良いこともあるだろうが、日本の職場の閉塞感や長時間労働、仕事主体の生き方などが大きいのでは。向こうに行った若者は目を輝かせて生きているそうだ、分かるな。2024/07/31
鈴木拓
21
今のままでは外国人労働者が日本に来なくなるという意見を少なからず目にするが、日本人労働者も国内以外に働き場所を求めるようになっている。給料の低さだけでなく、硬直化した日本の社会構造が、外からみるとよく見えるようになるのだろう。日本の行政や企業のマネジメントが変わらなければ、日本は人材獲得競争からさらに取り残されていくに違いない。2024/07/20
ようはん
19
円安と稼ぎの多さから日本を出て海外で稼ぐ若者が次第に増えてきているという話で、インタビューに答えた若者も比較的安定したイメージのある職業に就いていたケースもある。業務時間の多さで勉強等をする余裕が無いという話も印象的。後半は海外から来た技能実習生の話であるが、次第に人集めが困難になりつつあるという。現代日本社会において働くという事に魅力が無くなりつつあるのだろうか。2025/04/27
Eric
15
日本から海外へ出稼ぎに行く若者たちを追う。海外で住めるという経験に加え、賃金も日本より高いためワーホリに行く若者が増えている。日本の労働環境と円安がこの動きに拍車をかける。 海外で稼ぐのは一時的には良いものの、その後もずっと住みたいかは個々人の価値観によるはず。海外だと日本と異なる価値観の中で生活するため、慣れない人も多そう。あと海外に行く人たちは、身の回りの例も含めると美容師や医療系など、専門スキルを持っている人が多い印象。スキルがあると、生活拠点を変えることに対するフットワークが軽くなるのかも。2024/09/03
まゆまゆ
14
ワーキングホリデー制度を使ってオーストラリアにアルバイトをしに行く若者の体験談と社会的背景を探ろうとする内容。円安で日本で働いていた時の給料よりアルバイトのほうが倍以上もらえる、とはいっても2、3年頑張ってその後はどうするのかなぁ……日本人は労働者としては弱いが消費者としては強い、という行動特性のせいで20年以上賃金が上がらない、のはその通りかと思う。2024/04/23