出版社内容情報
Twitterフォロワー7万人!読者から寄せられた「なんでもない画像」が洗練された架空小説へ変身。ない本、あります。
内容説明
送られた画像で「ない本」をつくります。表紙・タイトル・著者・出版社・物語…すべて虚構。奇妙で不思議な新時代の超短編集。
著者等紹介
能登崇[ノトタカシ]
1991年北海道帯広市生まれ。武蔵大学経済学部卒。在学中は明治大学ミステリ研究会に所属。家電量販店の販売員、WEBライター、キッチン雑貨店の販売員、会社員を経て、2018年にTwitterアカウント「ない本@nonebook」を開設。『ない本、あります。』が初の単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
71
「おわりに」にも書かれているけれど、クラフト・エヴィング商會の本を連想した。しかし「ない本」という、ネガティブな発想から発せられるオーラとは逆で、求める本を創造していくポジティブさを感じた。文庫本限定であることもそうだ。ない本の表紙カバーをデザインしてしまい、内容もショートショートとして読める形にして提示してしまう。架空の作家の架空の作品・経歴も作り、その作家が書いたという形。大きな冗談・積極的な偽書とでも言うべきだろうか。「地球怪獣は一度だけ」「死人の肖像」「第七夏季の男」がおもしろくて印象に残った。2021/04/02
りんご
36
まず画像。次のページ見開き右は画像が表紙に使われた文庫本、左のページは裏表紙。あらすじが載ってたり。作者紹介もここにあり。凝ってる。ショートショートなんだけど、各本のイントロだけ読んでるような気分にもなって不思議な感覚だった。画像がコラージュされたりして表紙になるのも(はぁ、その部分を切り取ってな、なるほどー)と興味深かった。あらすじ紹介文、薄々気付いてはいたが、バカバカしいお話に興味が湧く。“黒ゴマを巡る戦いが始まる”なんて書かれたら手に取っちまうな。2022/06/11
いちろく
35
紹介していただいた本。Twitterで募集して送られてきた写真を基に架空の文庫本を作成して短編小説として提示する内容の短編集。概要を知った時に、クラフト・エヴィング商會っぽいな、と思ったらあとがきで『ないもの、あります』の本歌取りと明記してあり、正直落胆した。よく言えばオマージュ、悪く言えばパクリである分、比較されるのは必然だと思う。本家よりも、具体的な内容であり現実的でもあった分、「ない」という状況から生まれる虚構が活かされていない印象。2021/08/14
FOTD
23
「1枚の写真にタイトルと架空の著者名、架空の出版社名をつけて、内容はショートショートで、ない本を作ってみた」という本。30篇近くあり、それぞれ書体や段組みも違うデザインになっている。物語だけでなく、架空の著者の略歴も読んでみるとおもしろい。それぞれの作品のバーコードと値段はすべて共通かも? いろんなテイストのショートショートがあるので、きっと気に入る物語に出会えると思う。2021/05/01
まさおか つる
22
ない―ほん【ない本】(名詞・造語)/①存在しない本。②投稿された1枚の画像を元に空想を広げ作成された、架空の文庫本のこと。③存在しないため、読みたくても読め「ない本」のこと。④本文が読めるようになった「ない本」も存在し、それが本書である。2021/05/15