内容説明
「自由になりたいんだ」死んだ彼は、あの日そう言った―著者が今まで考え続けてきた「平凡な毎日」の受け入れ方。
目次
1章 力を抜いて「平凡な自由」を考える
2章 人とのつながりという「檻」から自由になる
3章 「働きたくない」と思うほど、不自由になる
4章 「後ろ向き」でも生きる強さを
5章 「信じる自由」とは何か?
6章 「彼」は今、自由か?
著者等紹介
海猫沢めろん[ウミネコザワメロン]
1975年生まれ。文筆家。さまざまな職業を体験した蓄積を生かし、小説やエッセイ、ラジオなどの分野で活躍中。『愛についての感じ』(講談社)では第33回野間文芸新人賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
61
友人であったKが自殺したと聞きショックを受けた著者は、亡き彼に向けてこの本を書く。自己啓発?エッセイ? 著者自身の内向的な性格をいかに変えるかの経験や人間関係に問題がある人に向けた教訓や考察など。救えなかった友人への悔恨に満ちた本。この著者のファンであれば是非。他の本でうっすらと聞く経験が具体的に書かれている。著者に似たタイプの有名人としては大槻ケンヂだろうか。軽く読める本。2017/06/27
海猫
37
頑張って生きようとして空回りが続き、厭世的な気分なのでタイトルに惹かれて読んだら内容もばっちり合ってた。読んでいる間は著者が私が直面している苦悩について考察してくれるので程よく頭を休められる。どうやら私には後ろ向きに生きる強さがある気がしてきたし、うまく倒れたままでいることもできるみたいだから無理に前向きになって自分の自由を縛ることは今のところやめておこう。引用している参考文献がなかなか面白そうだししばらくは読書する自由を満喫してみるか。こういう考え方している著者が書いた小説が気になるので近々読みます。2014/06/16
manamuse
28
う〜ん。って感じでした。後ろ向きな自由っていいな。2020/01/01
Natsuko
21
初海猫沢さん。DAY to DAYでお名前を知り、様々な職業、文化を経験されている方と分かり、まずは図書館で見かけたエッセイから。読み始めてすぐ、想像と違うトーンに面食らう。軽く、ふざけた感じを勝手にイメージしていたが、ずっしりシリアス。年下の友人の自死にショックを受け、彼の父親からこの死を題材になにか書いて欲しいと告げられ綴った、辛うじて生きていくための方法。前向き言葉に盲目的にエネルギーをもらえる年齢でもなくなった今、そもそも前向きor後ろ向きといった括り自体無意味かもしれないと過りながら読了。2021/12/22
スリカータ
19
図書館の書架で見掛けて、面白いペンネームに釣られて読んでみた。若い人かと思ったら、そうではなく、タイトルからユルいひとり語りを想像したが、幅広い文学からの引用があり、大真面目で哲学的で、禅問答のようでもあった。著者をググったら、なるほどイケメン風のホスト顔で、ホストをしていたのも頷ける。友人Kの自殺を引き金に本書を執筆したそうだが、楽しそうに勤めていた漫画喫茶が潰れたことで希死念慮が強まったように感じた。遺された者は複雑な感情が痛みと罪悪感を伴い、苦しめられる。不思議な読後感だった。2022/06/14