出版社内容情報
『活版印刷三日月堂』著者が心を込めて描く大人気シリーズ第三弾!
温かな共感に背中を押される感動の書下ろし小説!
書店イベント、作家や歌人との出会いをきっかけに自分を見つめ直す一葉。
今を受け入れつつ歩を進めるその先には…静かな決意に涙し前を向ける物語。
内容説明
亡き祖母に導かれるように連句会・ひとつばたごに通いはじめた一葉は、その縁から再び書店員の職を得る。連句会に参加して一年、ブックカフェに勤めて四か月。新しい出会い、トークイベント、日々の小さな挑戦の積み重ねのなかで、何かをはじめること、選び取ることの大切さと豊かさが見えてきて―。まるで人生のように、出会いと選択によって行き先が変わる連句の体験が、競うのでも正解を目指すのでもない未来へと一葉を誘っていく。かすかな変化の予感が静かに胸を震わせる感動の人気シリーズ、待望の第三弾!
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1964年東京都生まれ。作家・詩人。1995年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2016年『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が第5回静岡書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
236
シリーズ3作目。さすがに3作目となると、連句のルールも覚えて…、3作目でもいまいちルールがわからん(笑)。さて、物語はというと、少女マンガファン必見の話があり、“ひとつばたご”のメンバーも増えて、賑やかで楽しそう。年齢、職業を問わず、しがらみもなく場の雰囲気もきっといいのだろうと思う。一葉も、このメンバーと一緒にいる限りは、たとえ少しずつでも、前向きに立ち向かって成長していくんだろうなと思う。それにしても、今作の登場するお菓子がどれも美味しそう。水ようかん、今すぐ買って食べたいぐらいでした。2022/09/10
みっちゃん
152
「連句は正解のない分岐の連続」これって人の一生と同じ、だよね。生きていく上で必ずいつかはぶつかる人生の分岐点。どちらに進むのか。悩み、時には後悔し、でも後戻りは出来ない、前に進むしかない。最後には自分で決めるしかないけれど、その逡巡の時に誰かそばにいて、背中を押してくれる存在があれば…逆に自分の一言がそのひとが前に踏み出すきっかけになれば嬉しいよね。1ヶ月に1度、お互いに歌を交わすだけのメンバーがお互いの支えになっているのじゃないのかな。素敵な邂逅のとき、だよね。2022/11/23
シナモン
132
シリーズ3作目。慣れないことに戸惑いながらも少しずつ自分のペースで前進していく一葉。こうやって一つ一つ経験を積みながら人は成長していくんだな、人との関わりって大事だなと今回も実感です。連句の世界はルールがやっぱり難しいなと思うけど、出てくる句はどれも情景が目に浮かび、味わい深くて素敵でした。そして連句会のお菓子がまたどれも上品で美味しそうで。とぅるんとぅるんな水ようかん、食べてみたいです。落ち着いた文章に穏やかな気持ちになる一冊でした。2022/09/11
KAZOO
121
このシリーズ3作目が出されてので手に取りました。「ものだま探偵団」5作を引き続き読んだあとでの和菓子の話が続いています。このシリーズは連句の会合での話が中心ですが主人公がブックカフェでトークイベントを行ったりします。連句もきちんと読んでいればこのシリーズだけでもかなり勉強にはなるという気がします。また和菓子もおいしそうなものが出てきて食べたくなりました。特に紙の箱に入っている水ようかんは私も食べたくなりました。2022/09/07
のぶ
118
シリーズも三冊目になったので、だんだん慣れて来たけれど、連句はやっぱり難しい。連句会の部分になるとわからないところが随分あった。そんな中で一葉は成長してスタッフの中心として句を巻くのに欠かせないメンバーになってきている。一方、一葉の働くブックカフェでは、初めてのトークイベントが催され、一葉は司会進行をつとめる事ができた。その他にも連句会のメンバーの家族の進路の相談を受けたりして、本書の一葉には好感を持つ事ができた。そして、〈ひとつばたご〉で出されるお菓子にはおいしそうなものがあり、自分も食べたくなった。2022/08/29