出版社内容情報
本当に大切にしたい縁なら勇気を出さなきゃ──小さな食堂のオーナー・靖子先生が謎と心を解きほぐしてくれる美味しい日常ミステリー
内容説明
「これはもう、推理するまでもないわね」おいしいランチと予約制のおまかせディナーが評判の菜の花食堂のオーナー・靖子先生は、洞察力が鋭くて謎解きが得意。食堂や料理教室で起こる小さな事件を解決してくれるだけじゃなく、そっと悩みを掬い上げて静かに背中を押してくれる―妻が夫のダイエットに急に厳しくなったのはなぜ?仲の良い息子夫婦との同居をためらう姑の秘密とは?小さな食堂と料理教室を舞台に『書店ガール』の著者が描き出す、やさしくて少しビターな大人気日常ミステリー、第四弾!
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家としてデビュー。地域の食文化への興味から、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
128
菜の花食堂のささやかな事件簿「裏切りのジャム」 4巻 。 美味しい料理と、優しい人々。ほっこりとさせられますね。2023/12/15
ひさか
109
大和書房HP連載の春菊は調和する、セロリは変わっていく、玉ねぎは二つの顔を持つに加筆修正し、書き下ろし裏切りのジャム、たけのこは成長する、の5つの連作短編を2021年7月だいわ文庫から刊行。シリーズ4作目。裏切りのジャムというのは不穏なタイトルだが、ストーリーにそこまでのものは無く安心して読めた。セロリは変わっていくに登場した小学生たちを巻き込んだ事件の謎解きはやや辛辣。もう少しやさしい展開がなかったものかと考えてしまいました。2021/11/22
おしゃべりメガネ
106
読む順番が逆になってしまいましたが、シリーズ第4弾です。とにかくテンポがいいのが本作の秀逸なトコです。料理教室の先生「靖子」と助手「優希」のコンビは本作ももちろん変わらぬコンビネーションで、色々と身の回りで発生する'難事件'を解決へと導いていきます。これまで基本、おっとり&のんびりスタイルだった「靖子」先生も表題作のジャムの話のトキは、かつて感じたコトのないキャラをみせてくれます。ぶっちゃけ、あまり料理や食材の描写が控えめだったのは愛嬌というコトで、過去作にはない本格的なミステリーテイストの仕上がりです。2023/02/26
hiro
103
近藤史恵さんの『ビストロ・パ・マル』、柏井壽さんの『鴨川食堂』、そして碧野圭さんの『菜の花食堂』の是非食べてみたい料理が次々登場する小さな食堂・レストランを舞台にした短編の“食堂物ミステリ”シリーズが好きだ。この第四弾も五編の短編集だが、本の題名にもなっている菜の花食堂が製造したジャムに対する理不尽なクレームがきた『裏切のジャム』が一番インパクトがあったが、名探偵・靖子先生の冷静な推理で解決していく。最終話の主人公・優希の恋の話が、このシリーズが続くことを確約してくれているので第五弾を楽しみに待ちます。2021/11/12
ゆみねこ
89
シリーズ第4彈。夫に厳しいダイエットを強いる妻の本音、店の前に捨てられていた犬、ビン詰めのジャムにカビが混入、仲良しの息子夫婦との同居を躊躇う姑の秘密、そして優希の恋の行方。靖子先生の推理力とキッパリした姿勢、今作も謎解きを堪能した。2021/10/30