内容説明
「次の百物語では必ず怪異が起こる―」時は文政。推当物が評判の女戯作者・鉢野金魚は、武家の女・只野真葛、貧乏戯作者・本能寺無念らとともに、怪異の謎を解き明かすべく、亡魂が現れるという百物語に参加するが…江戸の本屋を舞台に戯作者=作家が謎を解く!人情と謎、嘘と真実、諦め難い切なき恋情―読み心地抜群の大人気時代小説シリーズ、待望の第五弾!
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。2014年、歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
65
シリーズ第5弾。人気戯作者の金魚(きんとと)が彼女の周辺で起こる摩訶不思議な出来事を推当していく4編。金魚の推当を事実に持って行く仲間たちが今回もいい働きをします。作中での金魚と真葛の台詞がどれも重みがあって納得させられるのは彼女たちのこれまでの人生があってからこそ。そして、気になる金魚と無念の仲。遊里にいた金魚にとって真の初恋を味わってしまうところが可愛い。俯瞰しながら読める方はいいが、心内が読めない2人の切ない恋情。ラスト、来ましたね~。胸キュンしながら続編を待ちましょう。2019/11/04
アルピニア
53
シリーズ第5巻。金魚の心の揺れが描かれる巻。「この世には、神仏も幽霊も霊魂も存在しない」それが苦界で救われることなく死んでいく女たちを目の当たりにしてきた金魚の信条。そして快刀乱麻のごとく怪異を推し当てていくのだが、今回の第二話「怪しの進物」ではどうもバッサリとはいかない。もやもやの原因は・・。さらに第五話「絵描き冥利」では、金魚が言い負かされてしまい・・しかし大事なことに気づく。無愛想でそっけないながらも金魚を気遣う真葛、お栄、おけいの友情にしんみり。私もこんな風に友に寄り添えたらいいなぁと思った。2022/06/07
真理そら
47
金魚さんが可愛い。そうか初恋なのか。「絵描き冥利媼の似姿」の応為さんがカッコイイ、どんな絵が仕上がったのか見てみたい気がした。金魚さんは推当と感情の間で迷いが出てきているような…それもこれも恋敵のせいかな。2019/09/14
ポチ
46
金魚と無念、お互いを意識しているのだが、なんとも歯痒い2人。そのせいか金魚の推当もなんとなく歯切れが悪い。次は最終巻、2人はどうなるのか。2022/06/19
kei302
45
これでお終いなのか?嘘が人を救う話が3つと無念を思う みおの話。みおはどうなる?お伊勢参りから戻って、一年後に再会。いやいや、ファンとしては、番外編で、お伊勢さんでの話を追加してほしい。神も仏も幽霊も信じない金魚(きんとと)社会的成長物語。御掃除之者の続きも読みたい。2019/10/17