出版社内容情報
怪異との遭遇は、きわめて身近な場所で起こる可能性が最も高い。オフィス、病院、役所…様々な職場で語り継がれる忌まわしき恐怖譚。
内容説明
怪異に遭遇する場所が職場であったとしたら、あなたはそこを辞めることができるだろうか?そう、わかっていても、逃れられないのだ―。職場にまつわる話だけを集めた奇譚の数々、怪談実話の旗手による待望の書き下ろし!
著者等紹介
黒木あるじ[クロキアルジ]
1976年、青森県生まれ。2009年に第1回『幽』怪談実話コンテスト・ブンまわし賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
218
黒木あるじさんの実話怪談は信頼の高品質で常に安心して楽しめますねえ。滅多に期待は裏切られず、どの話にも大満足できるのは簡単なようで実はとても大変な事だなあと思いますね。会社が舞台の怪異譚です。まあ幸い自分の会社では無縁の出来事ばかりですが、世の中にはこんなにも悲惨な恐ろしい因縁噺がゴロゴロと転がっているのでしょうかね。考えると本当にゾッとして平穏に過ぎ行く平凡な毎日の連続に感謝したくなりますよね。『課長憑き』ある年のこと、K子さんの夫が帰宅するなり「課長に昇進したぞ」と彼女に告げた。「おめでとう」と返す。2021/02/21
HANA
58
実話怪談集。全て職場に関する話を収録している。職場ならではの怪異ではなく、それに出会ってしまったのがたまたま会社だったというパターンが多いため少々他の実話怪談との区別化が難しい。仕事場じゃなく新しく入ったマンションとかに置きかえれそうな話も多いし。場所縛りのテーマだからかなあ。でも職場ならではの話は妙に薄気味悪いのが実に多い。「課長憑き」とか「死神さん」とかがその筆頭。やはりキングが幽霊屋敷で一番怖いのは経済的問題だと言ったが、現在の日本ではそれが仕事場に当たりそう。本書冒頭に書かれていたような意味で。2015/09/27
あたびー
44
会社など職場で遭遇する怪異を聞き取った実話怪談集。やはり別々の人から聞いた話が繋がってしまうと言うのは興味深い。雑居ビルの共同給湯室でどんどん増えていく御札の話と、店子が居着かない貸事務所が同じビル。私が会社員だった頃より大分古いビルディングも減ったかと思うけれど、あの頃は本当にボロい古いビルが多かった。東京の日本橋とか、大阪の日本橋あたりは古くから商売の街だから、そういうところ沢山残っていた。たしかに乗るのを躊躇われるようなエレベーターや、ここでいれたお茶飲みたくないという給湯室のある所あったなあ。2022/08/16
ネムコ
44
黒木あるじ氏の実話怪談のイメージは「品が良い」。きちんと体験者のことを尊重してるのが端々ににじんでいる。今回は職場の怪談。いろんな職業が垣間見られて楽しかったです。やっぱり一番気持ち悪いのは人だよね…。2017/08/07
うまる
38
職場にまつわる実話怪談が山盛り。読んですぐ怖いというよりは、自分の職場に当てはめて想像するとジワジワ来る感じです。明日も仕事かぁ~と思いながら夜寝る前にちょこちょこ読んで楽しみました♪ 個人的にはエレベータに乗るのが怖くなりました。遅くまで残業をしたくなくなりますので、社畜気味の方にも良いかもしれません。『課長憑き』のシバサキさんの話が世にも奇妙な物語みたいで面白かったです。2021/04/28