出版社内容情報
「実はタイトルが違った」「そんな景色は存在しない」等、ゴッホ、マネ、ルーベンス、レオナルドらが絵に込めた幾多の真実を明かす!
内容説明
誰もが知る絵に秘められた魅惑の嘘をひも解く。シリーズ10万部の話題作待望の続編!芸術の勲章オールカラー125点。
目次
第1章 タイトルの嘘―主題に囚われない巨匠たちの世界観
第2章 モデルの嘘―偽りの姿が伝わるモデルたち
第3章 画家の嘘―イメージと現実の境目を見極める
第4章 景観の嘘―画家だけに見える景色がある
第5章 時間の嘘―時の洗礼を受けて歪められた真実
第6章 恋愛の嘘―純愛、不倫、同性愛。愛に嘘はつきもの
第7章 設定の嘘―そもそも、その思い込みからして違う
第8章 聖なる嘘―聖書や神話の中で繰り広げられる騙し合い
第9章 演出の嘘―構図やテーマにプラスされた独自のアレンジ
第10章 ジャンルの嘘―ジャンルのボーダーを超える名画たち
著者等紹介
木村泰司[キムラタイジ]
西洋美術史家。1966年、愛知県生まれ。米国カリフォルニア大学バークレー校で美術史学士号を修めた後、ロンドンのサザビーズ美術教養講座にてWORKS OF ART修了。エンターテインメントとしての西洋美術史を目指し、さまざまな講演会やセミナー、イベント、執筆などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
このシリーズ2冊目でこの作者のものは三冊目です。絵が小さいのですがカラフルな写真でお得なので連続して読んでしまいました。題名が少しという気もしますが、このような裏話は結構絵画を見るとその絵画を忘れない感じがします。実際に見たものもありますが今後見たいと思うようなものもあり楽しめました。2019/12/25
かわうそ
50
★★★★★ハブリエルメツーの猫の朝食について。昔猫は抜け目のない動物として、マイナスなイメージだった。台所にいる使用人からニシンの骨を与えられている猫は、しようにん自身を象徴しているという。右手の花束は高価であるため裕福な男の存在がうかがえる。結婚や婚約の象徴である撫子が、花束から一輪折れて落ちている。また、当時の雄鶏は性行為を象徴している。幸福そうに見えない使用人からも不倫に溺れてしまった女性の姿を描いているのです。ヘラルドダウのシャボン玉を吹く少年と静物の少年は実は死んでいるという。2016/09/09
ユズル
27
1、2ともに続けて読了。今のように娯楽もゴシップも気軽に知れる時代でないからこそ、絵画に意味合いも含蓄も盛って描かれている。絵画、知れば知るほど面白いですね。美術館で全てを観ることは出来ないので、なおさら、こういうジャンルの本にお世話になります。名画にたくさん触れられますから。2015/08/19
mm
22
このシリーズはNo.3も出ているのね。とても読みやすいので、まあまあ売れたわけね。超有名どころを揃えているような感じだけど、やはり知らない画家もいた。ロココのスター、フランソワ・ブーシェと、雅宴画を描くジャン=アントワーヌ・ヴァトーとハプスブルク家の宮廷画家ルーラント・サーフェリーは覚えておこう。17世紀のオランダ絵画の隆盛は、バブリーな景気のせいでチューリップから絵までなんでも投資の対象なったかららしい。金の流れるところに才能も花開くわけさ。「ヘレナの誘拐」という絵を見たのでイリアスに映像添付された。2017/10/22
chatnoir
14
寝る前に読んだり眺めたりするのに丁度よくて、読み終わるのにものすごく時間が掛かった。キリスト教圏の絵は描かれているものに含みがある事を知る。芸術なのに、こうしてはいけない、ああやってはいけないってくくりがあるのは才能が抑えられて可愛そう。逆に描くのに必要な知識が沢山必要なので、レオナルド・ダ・ヴィンチのような人が出現するのかもしれないね。猫はあまり良い意味で使われないのが残念。2017/06/19