内容説明
二百六十年を超える歴史を誇った徳川幕府。日本史上最長の政権が生まれた背景には、事実上、権力を掌握し、自ら幕政を動かした「十五代の闇将軍」がいたからにほかならない。柳沢吉保、田沼意次、松平定信、井伊直弼など、悪く語られがちな闇将軍だが、実は名君であり、そうでなければ幕府はとっくに滅んでいた―。忘れられ、捏造された、真実の江戸史に迫る!
目次
第1章 幕藩体制の礎を築いた4代(初代「闇将軍」本多正信―家康から全幅の信頼を寄せられた「タヌキ親父」以上の「タヌキ」;2代「闇将軍」南光坊天海―幕府の宗教政策をひとりで完成させた「関東の大僧正」;3代「闇将軍」松平信綱―江戸時代で最大の内乱を鎮めて老中首座に上った「知恵伊豆」;4代「闇将軍」酒井忠清―生まれながらに老中を約束された後世の悪名が哀しい「下馬将軍」)
第2章 将軍の権威を超越した3代(5代「闇将軍」柳沢吉保―失政や没落とは皆無の史実 「極悪側用人」の評に異議あり;6代「闇将軍」新井白石―幕政の思想的柱石を創出したブレーンの「遅すぎた登壇」;7代「闇将軍」間部詮房―これぞ闇将軍にふさわしい「猿楽大名」の数奇なキャリア)
第3章 中興の変革期を乗り越えた3代(8代「闇将軍」松平乗邑―「暴れん坊将軍」を抑えられた唯一の忠臣は経済政策の旗手;9代「闇将軍」大岡忠光―前代未聞かつ空前絶後の幕閣 日本史上唯一の「将軍の通訳」;10代「闇将軍」田沼意次―「贈収賄政治家」の正体は貨幣社会を目指した重商主義者)
第4章 幕末動乱の一端となった3代(11代「闇将軍」松平定信―“寛政の改革”で失敗した後も影響力を保持し続けた元将軍候補;12代「闇将軍」水野忠邦―幕藩体制崩壊の序曲を聴いた「理想主義」を掲げる野心家;13代「闇将軍」徳川斉昭―頼もしいのか、ありがた迷惑か 御三家の慣例を破った「烈公」)
第5章 維新の激動期に舵を取った2代(14代「闇将軍」井伊直弼―まさに闇将軍の代名詞 幕末期最大のキングメーカー;15代「闇将軍」島津久光―外様大名ですらなかったのに幕政を揺るがせた薩摩の国父)
著者等紹介
熊谷充晃[クマガイミツアキ]
1970年生まれ、神奈川県出身。フリーライターとして編集プロダクションに在籍、後に週刊誌の専属フリー編集記者。歴史、芸能、社会時事ネタ、健康など幅広いジャンルで執筆。現在、複数の単行本を刊行しているほか、雑誌やムックでも活動中。日本史では奈良朝以前の古代や戦国時代、西洋史では古代ギリシャ時代やハプスブルク家、中国史では春秋戦国時代や三国時代、ほか世界各地の古代文明などを中心に探究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 電子書籍
- 家畜人ヤプー 愛蔵版 1 アルト出版