出版社内容情報
「何のために勉強するの?」と子供に問われたら、どう答えますか?勉強するということの本質に鋭く迫り、問題提起する気鋭の論考
内容説明
勉強とは「抽象化」することである。教育は一種の負荷である。かける以上は無意味であってはならない。勉強することの本質を鋭くついた画期的論考。
目次
第1章 学習者への言葉(勉強を始め、続けるのに必要なもの;勉強は初めが一番つらい ほか)
第2章 指導者・出題者への言葉(全体像を把握させる;「遠近法」を使ったカリキュラム構成 ほか)
第3章 親御への言葉(親子のあり方を考えよう;子育てのすべては手探りの世界 ほか)
第4章 一般の人々への言葉(責任はすべての人に;もてあそばれる英語教育談義 ほか)
第5章 再びすべての人々へ(誰も何も教えていない;語学は無間地獄か ほか)
著者等紹介
富田一彦[トミタカズヒコ]
1959年東京生まれ。東京大学文学部英語学英米文学専修課程修了。1986年より代々木ゼミナール講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いっち
33
著者は代々木ゼミナールの英語講師。勉強に伴う苦労が「無意味な苦労」であってはいけないと言う。 かけた労力がいずれは報われるようなものでないなら、そんな苦労はするだけ無駄だそう。報われるかどうかは試験の合否とは関係ないようで、「物事を冷静に見て何かを発見しうる能力を身につけること」が労力にふさわしい成功だと言う。何かを発見しうる能力とは何だろう。機械にはない。「思いつく」のは人間だけだと著者は言う。問題が生じて、解決の手がかりを「思いつく」ことは、「何かを発見しうる能力」と言えるではないか。難しいが面白い。2022/09/19
魚京童!
7
貴方の勤務先は、貴方のことをお全く必要としていません。貴方が出勤しなくても、世の中は通常通り動き、なんの損失も蒙りません。貴方は会社から全く必要とされていないんです。だからお願いです。今日hあ会社を休んで一日家にいましょう。2013/11/12
Masato
4
素晴らしい一冊。 今を遡ること15年前、浪人生時代に富田先生の授業を受けていました。先生のお陰で、希望する大学に入ることが出来た為、特別な思い入れもあります。 「受験」英語の意義、必要性、親として子供に何がしてあげられるのか。辛辣ながら緻密な論理に裏付けられた展開は、まるで授業のように明確です。 賛否両論あるでしょうが、私は全面的に支持します。 まだ小さい我が子が、自我の目覚めを迎える時、親として何をしてあげられるのか。いつも心に留めて起きたい。そんな一冊です。 また先生の授業受けたいなぁ。2013/10/30
h t
4
・中学受験の最大の問題は、間違ってレベルの高すぎるところに合格してしまうことである。受験で不合格に「まぐれ」はないが、合格には一定の割合で「まぐれ」がある。まぐれでレベルの合わない集団に入ると後の苦労は並大抵ではない。 ・中学以降で重要な知的能力は「抽象化」。それを養う上で外国語が有効。最も身近にある「自分とは異質な系」だから。その中でも英語はルールが単純であり学習する価値が高い。「文法」というシステムを明確にインストールし、文章を解剖し、組み立てることは「知的刺激」という点で極めて有効な学習材料である。2013/03/24
septiembre
4
塾講師の先生が受験についてやその内容、更に学習者だけでなく親や教師に対しても語っているので中高生だけじゃなく大人が読んでも考えさせられる。語りかけてくるような文章で読みやすく著者自身が「勉強しよう!」と思ったきっかけが級友が社会の音読で豊臣秀吉を「とよとみひできち」と読んだことでここにいたくない!勉強しよう。というエピソードがおかしかった。2012/10/22