内容説明
文化によって世界観が変わっても、人間がものを考えるために用いる道具は同じだと誰もが思っている。肌の色や国籍、宗教が違っても、ものごとを知覚したり、記憶したり、推論したりするために用いる道具は同じである。論理的に正しい文章は、日本語であれ英語であれヒンズー語であれ、正しいことに変わりはない。同じ絵を見ている中国人とアメリカ人がいれば、彼らの脳裏に映る画像は当然同じものである。だが、もし、すべてが間違っているとしたら?本書は、東洋人と西洋人の心や思考のかたちが文化によっていかに違うか、その違いはなぜ生じるのかを科学的に解明する。「世界についての考え方は根本的にひとつである」とする認知科学の大前提に挑戦した知的興奮の書である。
目次
序章 世界に対する見方はひとつではない
第1章 古代ギリシア人と中国人は世界をどう捉えたか
第2章 思考の違いが生まれた社会的背景
第3章 西洋的な自己と東洋的な自己
第4章 目に映る世界のかたち
第5章 原因推測の研究から得られた証拠
第6章 世界は名詞の集まりか、動詞の集まりか
第7章 東洋人が論理を重視してこなかった理由
第8章 思考の本質が世界共通でないとしたら
エピローグ われわれはどこへ向かうのか
著者等紹介
ニスベット,リチャード・E.[ニスベット,リチャードE.][Nisbett,Richard E.]
エール大学助教授、ミシガン大学准教授を経て、現在ミシガン大学心理学教授(セオドア・M・ニューカム冠教授)。アメリカ心理学会科学功労賞、アメリカ心理学協会ウィリアム・ジェームズ賞、グッゲンハイム・フェローシップ受賞。2002年、同世代の社会心理学者として初めて全米科学アカデミー会員に選ばれる。ミシガン州アナーバー在住
村本由紀子[ムラモトユキコ]
1999年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会心理学)。スタンフォード大学客員研究員、京都大学助手、岡山大学助教授を経て、現在、横浜国立大学経営学部助教授。専門は社会心理学・文化心理学
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感想・レビュー
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bianca
YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました
りょうみや
SKH
オカピー