内容説明
平凡だが独立心の強い高校教師のリンダは、証券会社に奨められるまま、別荘を売って得た10万ドルをウォール街の人気IT企業の株に投資し、破産の危機に陥ってしまう。実はそのIT企業は彼女の父親がCEOを務めており、ウォール街では当たり前な「完璧に合法な」会計操作に手を染めていたのだった。一方、今は疎遠ながら娘の窮状を知った父親は、投資家の前にすべてを明らかにして職を辞し、NGOを立ち上げてアメリカの企業社会を蝕む数字のトリックの解明に取り組む。そしてリンダは、友人やアドバイザーの力を借りて次第に自分なりの投資判断を行なえるようになり、債券市場の暴落に端を発したブラック・マンデー以来のパニックに立ち向かい…。
目次
裏切られた信頼
バブルの演出者たち
ウォール街の饗宴
弾けたバブル
一万七〇〇〇ドルの旅行洗面キット
安全な投資
膨張する政府の財政赤字
債券市場のバブル
勝つのは少数派
ザ・チーム〔ほか〕
著者等紹介
ワイス,マーティン・D.[ワイス,マーティンD.][Weiss,Martin D.]
ワイス・レーティング社(30,000銘柄以上の株式・投資信託、および銀行・保険・証券会社の格付と分析を行なう、対象企業からは一切の資金提供を受けない100%独立した米国唯一の大手格付会社)会長。父親と共に若い頃からウォール街で働き、マーケットの経験は35年以上。コロンビア大学で文化人類学を学び、ブラジルでの戦後の日系人コミュニティにおける経済と文化の変化の研究により博士号を取得。1980年代初期には東京で和光証券(現:新光証券)の国際部アナリストとして勤務。日本語のほかドイツ語、スペイン語など数カ国語に堪能。フロリダ州在住
三原淳雄[ミハラアツオ]
1937年生まれ。九州大学経済学部卒業。日興証券入社。米ノースウェスタン大学経営大学院留学。ニューヨーク勤務、ロサンゼルス支店長等を経て、同社退職。現在、金融・経済評論家として活躍中。東海東京調査センター理事、日本FP学会顧問、(社)日本商品投資販売業協会理事
小野一郎[オノイチロウ]
1955年生まれ。東京大学法学部卒業。日本興業銀行入行。米カリフォルニア大学バークレー校留学。ロサンゼルス支店、審査部、資本市場部等を経て、同行退職。(株)フィスコにてディレクターを務めた後、現在外資系企業勤務
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