内容説明
東芝機械のココム輸出規制違反の摘発に端を発した東芝制裁事件は、これまでに類例を見ない摩擦である。実質上、相手が米国政府であり、理由が米国の安全保障を害する対ソ禁輸措置を破る犯罪とされた上に、当事者ではなく、親会社が事件の首謀者に仕立てられた。事件は結着を見ていない。米国議会の制裁法案が成立するか否かにかかっている。日米間の貿易、ハイテク競争力、世界的影響力、政府、企業の戦略の相違から見てこの東芝事件はたんなる「東芝叩き」で終わらないだろう。IBM産業スパイ事件、半導体協定とダンピングに対する報復関税、富士通のフェアチャイルド買収中止と見てくると、その深層では潮流が大きく変わってきた。1987年最大の事件、ココム違反事件の全貌。日本叩きの深層に迫るドキュメント意欲作。
目次
1 なぜ、ココム違反か
2 アメリカの怒り
3 虎の尾を踏んだ東芝
4 通産省は、何をやったか
5 東芝はスケープゴートだ
6 次に狙われるのはどこか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
1
’87年、東芝機械ココム違反事件。ココム違反の9軸自動旋盤を、2軸で輸出し特殊な治具と制御ソフトで9軸に使えるようにした。4台で35億円は少々高いが前記の手間をかけている。当初、和光交易が扱ったが外為法に詳しい伊藤忠が引き継ぐことになった。ところが、’85年、和光を退社した熊谷が「不正を公表する」と言い出して説得に応じず…7月、親会社東芝の佐渡会長と渡里社長はそろって「引責辞任」を表明したが米議会の反応は「罪を認めた」と火に油を注ぐ東芝に制裁要求…制裁は伊藤忠にまで及び…’82日立IBMスパイ事件と同じく2018/02/07
沼田のに
0
5年ほど前に家電の下取り業者が東芝製品は別枠で安くしか買い取らない話を聞いていたので”なぜか?”と読んでみたが別の話だった。言わんとする事は「正義ではなく金を出すやつにはかなわん」という事。眠たかった。2017/12/30