幸福の政治経済学―人々の幸せを促進するものは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478210420
  • NDC分類 331
  • Cコード C1033

内容説明

従来の経済学では「幸福」は非科学的な概念とされてきた。しかし今では、政治学、心理学、社会学から得られた理論を統合することで、極めて説得力ある議論が可能となった。その最新の研究成果といえる本書では、所得、失業、インフレ、政治システムなどが幸福に与える影響を詳細に調べ、金銭的な充実のみが幸福を決めるのではなく、より進んだ民主的な政治体制こそが人々の幸福感を高めることを明らかにしている。市場原理主義の限界が叫ばれる昨今、我々が目指すべき方向を考える上でも、本書内容は極めて示唆に満ちている。

目次

第1部 幸福をどうとらえるか(幸福とは何か;経済学における幸福のとらえ方 ほか)
第2部 経済的条件が幸福に与える影響(所得と幸福の関係;雇用と幸福の関係 ほか)
第3部 政治的条件が幸福に与える影響(現行の政治経済プロセスと幸福の関係;政治体制と幸福の関係 ほか)
第4部 結論(幸福の政治経済学)

著者等紹介

フライ,ブルーノ・S.[フライ,ブルーノS.][Frey,Bruno S.]
1941年スイス生れ。チューリヒ大学実証経済研究所教授。専門は公共経済学

スタッツァー,アロイス[スタッツァー,アロイス][Stutzer,Alois]
1972年スイス生れ。チューリヒ大学実証経済研究所助教授。専門は公共選択、労働経済学

佐和隆光[サワタカミツ]
1942年生れ。東京大学経済学部卒。スタンフォード大学研究員、イリノイ大学客員教授等を経て、京都大学経済研究所所長。専門は計量経済学、環境経済学

沢崎冬日[サワサキフユヒ]
1967年生れ。東京大学文学部卒。(株)エァクレーレンにて翻訳に従事
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

77
このような観点から政治経済学を論じるということは珍しいと思いました。「幸福」という概念をどのようなものとするかによって結果はかなり異なるような気がします。人の欲望を刺激してどんどん消費させることが果たして幸福なのかも人によってかなり異なるのでしょう。確かにここに書かれているようなことを声高に言われては政治家は何をなすべきかがわからなくなるのでしょう。2%を達成したからと言って満足できない人もいるだろうし、今のままでも満足して幸福な人はいると思います。市場原理主義に対する一つの考え直す材料を提供してくれます2015/12/22

壱萬参仟縁

31
読んだのは原著。14年前名古屋の丸善にて5010円で買ったみたい。フライの邦訳は出ているが、明治大学の小田切徳美教授には原書を持っているのは評価された。しっかり読まねばならないが、結論だけは全て音読した。理由は、地域公共交通システムの交通弱者にとっての幸せは、目的地にアクセスできる権利(アマルティア・セン)の保障にあるから。付箋を付けてはあったが、結論部にマーカーを引いたのは、social welfare,2016/05/13

スターライト

6
「幸福」という概念は主観的なものであり、客観的に計測できないとする従来の経済学に対し、その概念を覆し、著者らがスイスを対象に行った調査データをもとに政治経済と幸福との関係を論じた書。経済的な側面としては、所得・失業・インフレから見た幸福への影響を分析し、政治的には連邦制を採るスイスを例に、政治参加のプロセスと結果両面から幸福度を吟味する。これを読めば、経済的には豊かになったとされる日本も、政治的にも経済的にも改善の余地は大幅にあることを痛感させられる。2014/12/08

hinotake0117

2
朝は『経済学』、昼は『政治経済学』ということで、この書は政治に関わりを持つことと幸福度の相関についても言及。 直接民主制のように関与度が深まると幸福度も高まる。日本だと地方自治がカギなのかも。 https://t.co/y1IY5RVgUs2022/08/17

たぬき

2
素敵な民主主義・・・なのか2013/01/09

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