出版社内容情報
かつて技術立国として世界を席巻してきた日本。しかし20世紀終盤以降は停滞、大国アメリカ、急成長を遂げた中国をはじめとする新興勢力に後塵を拝することが多くなった。この状況は特許という視点から見ても明らかだ。
年間特許件数30~40万件で世界のトップを走っていた日本がアメリカに抜かれたのが2006年。さらにそれを上回り現在は中国がトップとなっている。その数、年間150万件超。いまだ3番手を死守しているとはいえ、日本の件数はピーク字を下回る20万件台となっている。
日本の特許件数の減少は、単に技術力が失われたというわけではなく、量より質を重視する特許観の変化など、いくつかの理由があるが、大きな問題として横たわっているのが「特許出願手続きの煩雑さ、難解さ」である。知財専門の担当部署がないような企業では申請を躊躇するほどに複雑だ。
本書は、この特許出願をAIを活用することで容易にしたサービスを開発した著者による知財戦略である。特許取得のハードルを下げることで日本の技術を守り、世界と再度戦う事のできる知財強国にしたいという著者の思いと、そのための具体的な実践方法をまとめている。
規模に関わらず、独自の技術、ビジネスモデルを持つ企業が積極的な知財戦略を推し進めるために何をすべきか。必読の一冊。
内容説明
知財爆弾量産で、米中を追い越せ!AIによる特許取得の加速化が日本再生のイノベーションになる。技術を守り、世界と戦うための権利を守る、最新の知財戦略。
目次
第1章 スタートアップの特許出願
第2章 中小企業とスタートアップこそ知財で戦う時代
第3章 中小企業、スタートアップの知財戦略
第4章 攻めの特許戦略、AIを活用し物量で圧倒せよ
第5章 AIの活用で日本を再び知財強国へ
第6章 子どもたちのアイデアが日本を救う―大人のアイデア会議の参考に
第7章 AI特許システムが、特許申請を変える
第8章 変わり始めた未来、特許を巡る新たなビジネスモデル創出へ
著者等紹介
白坂一[シラサカハジメ]
博士(知識科学)、弁理士、国家試験知的財産管理技能検定委員、経済産業省Healthcare Innovation Hubアドバイザー。1977年大阪府生まれ。2001年に防衛大学校理工学部を卒業後、2003年に機械学習による画像処理の研究で横浜国立大学院環境情報学府博士前期課程修了。富士フイルムに入社し知的財産業務を経て2011年に弁理士事務所を設立(現在「弁理士法人白坂」)。またナスダック上場でマザーズ上場のビッグデータ解析企業の関連会社の社長を経験し、2015年にリーガルテックIT企業のAl Samuraiを創業。約10億円の資金調達を行い、AI(人工知能)を用いた特許審査・特許書類作成のシステム開発を行う。社会人学生としてAIと弁理士の協働による進歩性判断に関する研究で、2021年に北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科博士後期課程修了。2019年[JEITAベンチャー賞」受賞、2022年「関東地方発明表彰発明奨励賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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