出版社内容情報
あの偉人は「死」について何を語ったのか。読むと、なぜか生きる元気が湧いてくる。
内容説明
歴史に名を刻んだ「あの人」は、いかに生き、何を考え、どう死んだのか。明るくはない。でも、ふしぎと力がわいてくる。99人が残したことば。どうか、たっぷり味わってください。
目次
第1章 したたかな死の名言(司馬遼太郎―1996年72歳;佐野洋子―2010年72歳 ほか)
第2章 はかない死の名言(中島敦―1942年33歳;三島由紀夫―1970年45歳 ほか)
第3章 いさぎよい死の名言(赤塚不二夫―2008年72歳;本田宗一郎―1991年84歳 ほか)
第4章 かみしめる死の名言(山田風太郎―2001年79歳;大伴旅人―731年66歳 ほか)
著者等紹介
伊藤氏貴[イトウウジタカ]
明治大学教授。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
106
紀貫之からちびまる子ちゃんに至るまで、99人の日本人の言葉が収録されている。宗教的・哲学的な深い言葉はなく、死の名言を味わうより、発言者の生き様のエピソード紹介の方が面白いくらい…。そんな中で、佐野洋子さんの「余命二年と言われたら十数年私を苦しめてきたウツ病が消えた」や、余命一年半を宣告された中江兆民の「一年半、もし短といはんと欲せば、十年も短なり、五十年も短なり、百年も短なり」が印象に残る。正に、徒然草の「人皆生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。死を恐れざるにはあらず、死の近き事を忘るゝなり」である。2023/07/23
Take@磨穿鉄靴
33
99人の偉人の、生と死についての言葉を1つづつ提示する形式。だいたい1人見開きの2ページなので深掘りせずただひたすら紹介というスタイル。初めて聞く名前の人もいた。これは私の勉強不足。ただ私の主観では99人の言葉の羅列よりデーケン氏の1冊の本の方が圧倒的に死についての学びが大きいことを改めて知ることができた。とは言え読まないよりは読んだけ方がいいと思える内容。誰かの言葉が刺さるかもしれない。★★★☆☆2023/06/24
ひめぴょん
16
自死、戦争、不倫、多数回の結婚などありきたりでない人生を生きた人の言葉が多い。16歳から105歳の死まで幅広い人生期間。著名な方も20代で亡くなっている方が少なからずいて驚きました。以下は文中引用とミニ感想です。 佐野洋子「死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う」死について考えることは今の自分の持っている時間を考えることでもあり、人生を豊かにする経験になりえる。 梅原龍三郎「葬式無用 弔問無用 固辞すること 生者は死者のために煩わされるべからず」→これは、私も同じ考え。 高杉晋作「おもしろきこともなき2023/08/12
Taka
15
高杉新作の言語センス痺れる。死んだなら釈迦と孔子に追い付きて道の奥義を尋ねんとこそおもへ。三千世界の鴉を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい。ってどんだけかっこいいの。岡潔先生の、まだしたいことがいっぱいあるから死にたくない。からの計算ちごた。大谷蜀山人。今までは人のことだと思ふたに俺が死ぬとはこいつはたまらん。いつのまにか中島敦が障害を終えた年。芥川龍之介。人生は一箱のマッチに似ている。藤村操の16歳の遺書。土光敏夫。さびつくより、すりきれるのほうがマシ。地獄の底から、これからの日本を見ているからな 2023/12/22
100名山
7
著者のことは全く知らないAmazonの試供本で歴史上の人物から昭和の著名人まで99名の死に纏わる名言とその解説で著者の解説から何かを誘導される様でトイレ本にしましたが、解説など無視し読むと結構知らないこともあり、99人を深堀したくなります。各々生没年月日もあり巻末には名言の出典と人名索引もありまじめな本だと思いました。”おわりに”は「死後の生に確信を持っているような宗教的な言葉は一切入れず、解説はあまりこだわらずに」と記され本の怪しさを払しょくしました。(笑)2023/05/20