出版社内容情報
第一部 ファースト・ハーフ
第二部 ハーフタイム
第三部 セカンド・ハーフ
内容説明
未来につながる、パスがある。大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。アストロズを再生せよ―。ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーの再建に挑む。
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- 評価
読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
795
面白い。もはや安定の池井戸印。都合が良すぎる新監督の登場や、スタープレーヤーの発掘、劇的に伸びすぎる動員数などなど、話が上手すぎて、普通は白けるところなのに、ちゃんと"アツい展開"に転化出来ている。スポーツの描写も、第二のお家芸としてすっかり定着し、最後の試合なんかはかなり熱くなった。ここをレナ視点で読ませるあたりが上手。こういう真摯なファン目線を入れることで、そしてほんのりロマンスの可能性も匂わせることで、ラグビーのルールを知らなくても、全く作品の良さは損なわれないように作られている。2019/06/16
ヴェネツィア
657
実に痛快かつ爽快な小説である。今回は実業団ラグビーの世界を舞台に展開するのだが、主人公の君嶋隼人は半沢直樹にきわめてよく似ている。だからつまらないというのではなく、むしろそこがいい点でもある。したがって、基本的にはラグビーの物語でありながら、企業人の物語としての側面も持っている。"one for all, all for one"などは日本のラグビー界だけの言葉だといいながらも、結局はラグビーの持つパワーと清々しさが物語の基調になっていたりもする。また、君嶋のとる方法は、奇を衒うものからは遠く⇒2024/02/18
starbro
582
池井戸 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。ドラマ放映期間中に読めました。 https://www.tbs.co.jp/noside_game_tbs/ ラグビーのワールド・カップとドラマのタイアップ小説かと思いきや、ドラマとかなり設定が違う正統派企業スポーツの感動作でした。主人公のキャスティングは、大泉 洋ではないと思います。下町ロケットの吉川 晃司とかの方が、まだ良いのではないでしょうか?妻役の松 たか子は、原作では一切出てきません(笑)2019/07/25
ウッディ
485
経営企画室から工場の総務部長に左遷された君嶋は、会社のお荷物となっていたラグビー部のゼネラルマネージャーとなり、チームを立て直す。ドラマを観て、ストーリーや結末はわかっているのに、池井戸さんの小説はなぜか心が熱くなり、涙が溢れてしまう。ワンチームそしてノーサイドの精神は、熱い企業戦士たちの生き方に近く、こんな風に仕事をしたいと憧れます。アストロズのメンバーが裏切り者の里村にエールを送る場面は、痺れました。ワールドカップの余韻が残るこの時期に読めたのも良かった。やっぱり池井戸小説、だいすきです。2020/01/18
Tanaka
469
ラグビーはほぼ分からないけど、池井戸さんの作品は読みやすくて良い2020/06/28