内容説明
銀行の未来はソフトウェア会社だ!近い将来、日本の金融機関は間違いなくグーグルやアリババと戦うことになる。そのとき、何が起きるのか、いま何をすべきなのか日本と世界の金融事情を知り尽くす専門家による生き残りの提言。
目次
はじめに デジタル自然淘汰の時代が始まった
第1章 激変する銀行の経営環境
第2章 世界ではすでに金融秩序の破壊が始まっている
第3章 日本の金融危機が生んだ特殊な状況
第4章 戦いを始めている世界の金融機関
第5章 シリコンバレーの歴史にイノベーションを学ぶ
第6章 人のイノベーション
第7章 日本が直面する「今そこにある危機」
第8章 日本の金融機関が生き残るための2つの提言
著者等紹介
山上聰[ヤマガミアキラ]
1958年、北海道生まれ。NTTデータ経営研究所研究理事、グローバル金融ビジネスユニット長兼シンガポール支店長。立教大学経済学部卒業後、北海道拓殖銀行入行。ニューヨーク支店勤務などの後、外資系コンサルティング会社を経て現職。金融審議会専門委員、XBRLジャパン理事、APN副議長、IPFAボードメンバーなどを兼任。金融ビジネス、決済、イノベーションに関する著作、寄稿、講演多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
76
デジタルイノベーションというので、表題どおりのかなりテクニカルなことが書かれていると思われましたが、もう少し全体的な観点からの話でわたし的には非常に参考になるような評論集でした。もともと拓銀におられた方で、拓銀が消滅した原因もよく書かれていて参考になりました。日本が直面する危機や、生き残るための2つの提言などは是非金融機関の幹部社員は読んでいただきたい部分です。2017/10/06
かわうそまん
9
海外の金融機関の先進的な取り組みや拓銀の破綻などに触れながら、考え方やイノベーションへの取り組み方を抜本的に変革しないと、今後、既存の金融機関はサクッと淘汰されちゃいますよ…というメッセージだと読み解きました。金融とテクノロジーの融合とは何たるか、答えは多岐にわたると思いますが、フィンテックという言葉に踊らされず、周囲の動向に気を取られず、確固たる意志を持って自らのビジネスモデルとしてデジタルテクノロジーの活用に取り組んでいる金融機関はまだまだ希少なのではないでしょうか。2018/01/28
紫の煙
6
これからの金融機関の役割を考える上で、参考になる書籍。決済機能は銀行でなくても出来る。地域金融機関としても、重要性が無くなるかもしれない。言葉だけフィンテックと叫んでいるところが多いのが現実。日本は起業家精神が低いのも気になるところ。2018/05/04
すっち
1
"大企業が経済をリードする"環境の日本は、シリコンバレーに敗れたボストン企業に似ており、もはや日本国内で日本人のイノベーターを育てるよりも、官民共同で海外にイノベーションを生み出す仕組みを作り、そこに日本人を送り、中長期的に大企業に変革をもたらす、いわゆるリバースエンジニアリングが現実的である、というお話は面白かった。2018/09/13
かった
0
NTTデータ経営研究所の山上さんの一冊ということで読了。 金融機関がデジタル化の波にどう立ち向かい、新たなビジネスモデルに転換していくのか?読んでもなかなか理解が難しい部分が多かった。しかしそれでも、銀行が持っている中立性や公共性などのメリットをデジタル化の中で生かしていくことは読み取れた。もう一度読み返したい2019/01/17