出版社内容情報
国税、富裕層、国税OB。最後に笑うのは誰だ?「日本―香港」で起きた巨額の脱税事件。圧倒的臨場感で描かれた驚愕のストーリー
内容説明
日本とアジア一のタックスヘイブン、香港を舞台にした脱税事件の物語。脱税を取り締まる国税、脱税に手を染める富裕層、脱税の手引きをする国税OB税理士。この三者の攻防戦が描かれる。ハンドキャリーによるキャピタル・フライト、金融システムを活用した脱税資金の出口戦略など、オフショア利用者の「常識」が散りばめられている。国税最強部隊、「資料調査課」出身の著者が描く、衝撃のリアルノベル。
著者等紹介
佐藤弘幸[サトウヒロユキ]
1967年生まれ。東京国税局課税第一部課税総括課、同部統括国税実査官(情報担当)、電子商取引専門調査チーム、課税第二部資料調査第二課、同部第三課に勤務。主として大口、悪質、困難、海外、宗教、電子商取引事案の税務調査を担当。退官までの4年間は、大型不正事案の企画・立案に従事した。2011年、東京国税局主査で退官。現在、税理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナミのママ
64
タイトルと作家の経歴にひかれて読んだ一冊です。国税OBの税理事務所指導のもと脱税をする富裕層、それを追う国税職員といった内容です。全体的に税のしくみと用語の説明、国際間の違いや法の盲点、税務署内の組織などが書かれている部分が多かったです。前半は脱税をする側に視点が置いてあるので、読んだことあるような内容かと思いました。中盤から国税職員が出てきて追う側の視点、これは初めて読んだので引き込まれました。ストーリーの面白さより知らない部分が知れる面白さです。日本の税率は高すぎますね、海外に移す気持ちがわかります。2016/09/30
キク
62
村上春樹が冗談めかして「紳士は、抱いた女性と払った税金については語らない」と言っていた。会社員の平均生涯賃金が3億円だけど、その20%の6,000万くらいは、手にする前に源泉徴収として差っ引かれる。こんなにきっちり税金を払っているのは会社員だけだ。知り合いの羽振りのいい自営業者の人は「個人収入は赤字にしてるから、住宅ローンが個人じゃ降りなくて、会社として買っちゃった」と苦笑いしてた。純利益が2兆円だった時期にトヨタは、5年間で1円も税金を払わなかった。さすが日本を代表する企業だ、その紳士っぷりが半端ない。2022/11/06
R
24
税金逃れをする者と、それを追っかける者の物語でした。話としては、ありそうな筋立てで、脱税スキームがどの程度なのかはよくわかりませんでしたが、トージツと呼ばれるマルサよりも怖い人たちがいるということがわかりました。オチがすっきりしないので、なんとももやっとした読後感で残念。2016/10/21
Happy Dragon 🐉
9
読了。一気読み。元国税の著者が描く物語。実際にあったことなんだろうなぁと思いながら読むと、世の中は実に面白い。ありがとう!感謝!2023/10/31
天切り松
6
国税OBにしか書けない内容。国際課税の勉強としても良作。国税にいては止められないから作家になったと信じたい。日本の国税も期間雇用で会計士を雇えばレベルが上がるのに。2016/10/23