内容説明
「中国人はなぜひとを信用しないのか?」「なぜヤクザ組織がないのか?」「なぜ反日なのか?」「なぜ鬼城―ゴーストタウン―だらけなのか?」作家・橘玲が新視点から切り込む中国社会評論!
目次
巻頭特集 中国10大鬼城観光(内モンゴル自治区オルドス―“廃墟都市”観光のメッカ中国の不動産バブルがよく分かる;天津・浜海新区―日本からのアクセスが最良!北京から日帰り見学も可能 ほか)
1 中国人という体験(ひとが多すぎる社会;幇とグワンシ ほか)
2 現代の錬金術(経済成長を生んだゴールドラッシュ;鬼城と裏マネー ほか)
3 反日と戦争責任(中国のナショナリズム;謝罪と許し ほか)
4 民主化したいけどできない中国(理想と愚民主義;北京コンセンサス ほか)
著者等紹介
橘玲[タチバナアキラ]
作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
23
知は力也2015/08/30
ほじゅどー
16
★★驚きの連続中国。不動産バブルによる地方都市の残骸(鬼城、ゴーストタウン)。人口13億の中国はグワンシ(朋友との密接な人間関係)社会。グワンシのためなら命も賭ける。中国人の交友は大陸的おおらかさがあるが、外人を信用せず、裏切ることが前提。会社の機密情報もグワンシには漏らす。だから中国では高倉健のヤクザ映画が人気。中国ではコネが全て。近くに共産党員がいなければまともな仕事はない。秘密結社である中国共産党が権力を握る無法地帯の中国を生き抜くのに唯一頼りになるのがグワンシ。2017/09/17
やまやま
13
歴史問題については明確な見識があり、当事者と第三者の責務は全く違うという理屈は分かりやすい。統治の方法としては「人口が多すぎ」で「統治法がない」という見識も相当。著者の他の金融本と同様に、制度(法律)と運用の間を縫う才覚が蓄財の原理となるというのも納得。私の個人的につきあいのあった中国人達はもう四半世紀前の人々で、頭脳優秀であったが本土ではあまり生きやすくなく、海外での生活を望んだことであった。南京出身者もいたが、戦争責任などは問われたことはなかった。一緒に餃子を作ってつついた若い頃がなつかしい。2019/04/20
turtle
13
実際に中国のみならず世界中を自分の足で回っている著者ならではの広い見識と冷静な語り口。 隣人を理解するのに役立ちます。 巻頭の鬼城の写真の数々は興味深いです。 同僚の中国人も「面白そうな本ですね。」と関心を示していました。2015/04/30
R
13
中国の今を独自の視点で旅行記とともにつづった本でした。非常に面白かった。鬼城と呼ばれる中国のゴーストタウンレポートは、もう駄目なレベルまで中国は来ているなんて思わされるけども、そもそも中国とはどうできているのかという話に進むと大変興味深い話ばかりで目が離せない内容でした。よいとか、悪いとかではなく、中国を理解する一つの知識として楽しめる一冊でした。しかし、なんであんなに人口が増えてしまうんだろうか。2015/04/29