内容説明
私たちは技術革新に合うように人間を改造しようとし、クビになっては困るからと倫理を曲げ、経済的生活を経済学者たちの理論に合わせようとする―。『ブラック・スワン』の著者による異色の箴言集。現代人が陥っている誤謬やバイアスを、時にユーモラスに時に辛辣に暴露する。
目次
序幕
逆説の一言
実在
聖なるものと卑なるもの
偶然、成功、幸せ、そして理性主義
カモの問題、かわいらしいのとそうでもないの
テーセウス、あるいは古の暮らしを生きる
哲学界
普遍なものと特殊なもの
まぐれ〔ほか〕
著者等紹介
タレブ,ナシーム・ニコラス[タレブ,ナシームニコラス][Taleb,Nassim Nicholas]
作家、トレーダー、大学教授。ニューヨーク大学でリスク工学を担当し、またユニヴァーサL.P.の幹部も務めている。著書『まぐれ』と『ブラック・スワン』は31ヵ国語で出版されている
望月衛[モチズキマモル]
大和投資信託(株)審査部。京都大学経済学部卒業、コロンビア大学ビジネススクール修了。CFA、CIIA。投資信託等のリスク管理や金融商品の評価・分析に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
17
噛みごたえのある箴言が並んでいるのだが、含蓄があるのか無いのか、判断に困るものが多い。そのなかで、面白いと思った箴言を以下に引用。「筋が通っているからではなく、筋が通っていないからこそ、人は魅力的になる」。「真の愛とは、特殊なものの普遍的なものに対する完全な勝利であり、無条件なものの条件付きなものに対する完全な勝利だ」。「組織的な出会い系サイトをやっている連中がわかっていないのは、人は自分で言わない部分のほうがずっと面白いということだ」。2024/10/31
はやたろう
8
ブラックスワンもまぐれも読んだことないが、そのエッセンスがこの箴言とのこと。大概のことは、逆張り的なとらえ方だって言ってる気がする。2024/11/24
はなよ
8
箴言、というほど大したものではない。ブラックスワンがヒットしたから調子に乗って書いたとしか思えない。行間多すぎてスカスカだし、矛盾した表現もチラホラ見えるし。まあ、彼の尊敬するモンテーニュのエセー(私も好きだけど)が矛盾ばっかだから真似したのかもしれない。数多の哲学者が出した金言集には遠く及ばない内容。2018/01/15
Coders
3
好きなやつを2つ。 ・読みの鋭いカール・マルクスは気が付いた。奴隷を上手に使うには自分が会社員だと思い込ませることだ。 ・水と氷の中間物などはない。ただ、生きているのと死んでいるの中間はある。それは雇われている状態だ。2019/06/25
bandil
3
タレブの書籍は本書をもってすべて読了となった(残念)。箴言ということで読む前は少し身構えたのだが、意外に読み応えがあった。著者曰く「箴言は情報を増やす」とのことなので、少ない活字からどこまで情報を吸い上げられるかは、偏に読者の力量に拠る。本書はタレブからの挑戦状ともとれるわけだ。タレブの他書で基礎をマスターした上で本書を読めば、実り多き読書となるであろう。惜しむらくはCaesarの誤訳。たまたま初版を購入したから確認できないが、後の版では正しく直っていることを願う2018/04/14
-
- 電子書籍
- わたしの苦手な彼 分冊版 4 ジュール…
-
- 電子書籍
- 俳句 26年5月号 雑誌『俳句』