内容説明
不良債権処理をめぐって金融庁との対立を深めるJFG銀行。大型増資のもくろみが失敗に終わり、貸倒れ引当金の大幅な積み増しを強制された結果、ついに巨額赤字に転落する。トップの引責辞任、信託部門の売却で再生を探るなか、ライバル行から巨大合併案が持ち込まれた。その一方で迫る、検査忌避による刑事告発の危機。JFG銀行の生き残りを賭け、副頭取となった竹中は最後の決断を下す―。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
作家。1939年東京生まれ。化学業界専門紙の記者、編集長を経て、1975年『虚構の城』でデビュー。以後、綿密な取材に裏打ちされたリアリティに富む経済小説を次々に発表。企業組織の不条理と戦うミドルの姿を描いたこれらの作品は、日本中のビジネスマンより絶大な支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よしたけ
28
幻メガバンクUFJの最後を描く(本巻読むまで当該伏線に気付かず)。主人公竹中は頭取候補に躍り出るもこれを固辞し副頭取に。だがここからという時に金融庁の検査忌避を免れるべく、ホールディングス社長に上り詰めた同期杉本と差し違えて辞任。溜飲を下げたのは、最高顧問鈴木を有無を言わさず追放した場面位。私生活でフィアンセ麻紀とロンドンで結ばれるも、逮捕されたスケープゴート塚原を救うべく帰国するところで終了。小泉政権下で苦杯を舐めさせられた金融機関の立場から、行政を痛切に皮肉ったシリーズだった。続編なく非常に残念。2021/03/23
しーふぉ
11
ついにシリーズ完結です。シリーズを通して住専問題、貸し剥がし、総会屋、金融庁検査など大銀行の裏側を覗き見ることが出来た。竹中平蔵のやったことがどんな結果を招いているのか、違う本でも確認してみたくなった。2014/01/05
Keita Yamazaki
5
終わり。長いけど良い作品だった。 やっぱり本部じゃなくて現場で常にお客さんと関わる立場で過ごしたい思いを強くした。2015/04/08
e2rahmen
4
金融腐蝕列島シリーズの完結篇。この本では、あまりハッとするようなことは書かれていなかった。だが、シリーズ全体を通して、金融界にこのような歴史、文化があったことを学べるということが、このシリーズの大きな意義であると思う。2010/09/30
まゆまゆ
3
期待していたせいか、最後はちょっとがっかり…2009/01/29