内容説明
追いはらわれるばかりののらねこにも、やさしい人があらわれます。―女の子の家でしあわせになったびんぼうなねこ。小学校初級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
39
何不自由なく優雅に暮らすねこもいれば、スキャット(「しっ!しっ!」って意味らしい)のように、のら猫として生きるねこもいる。その対比にのら猫だからって“貧乏”という言葉を充てがうタイトルにはちょっと違和感あるかな。スキャットはのら猫としての猫生を謳歌してるのよ!と思っていたのですが、あれあれ、ちょっと違う展開に。笑 スキャットが幸せならそれもま、いっか!ニューヨークの街並みを思わせる絵、とてもかっこいい!2021/03/08
masa@レビューお休み中
26
金持ちのねこと貧乏なねこを比較しながら話は進んでいく。これは、何か教訓めいたものが出てくるお話なのかと思いきや…。野良猫のスキャットの自由奔放な感じが格好いい。俺はこんな感じだけど、楽しくやってるぜみたいな雰囲気を漂わせているんだ。でも、物語が進んでいくと、状況が変わる。いつの間にか、スキャットは、グエンドリンに変わってしまうのだ。この切り返しに、ちょっと騙されたと思ってしまうのは、自分だけだろうか。それとも、流れに身を任せるしかないのだというこを言いたかったのだろうか…。 2012/09/23
ヒラP@ehon.gohon
22
お金持ちのねこと、のら猫のスキャットの比較が延々と続きます。 スキャットはのら猫だからたくましく生きているように思います。 もともと飼い猫ではないので、貧乏などと意識したことはないのではないでしょうか。 でも、このお話の結末と、嬉しそうなスキャットの表情は、「お金持ちのねこ」の肯定観に満ちていて、あまり好きになれません。飼い猫にだって、お金持ちの飼い主と貧乏な飼い主がいるのではありませんか? このお話、問題提起の絵本として評価します。2020/08/03
ヨシ
12
『なまえのないねこ』と全く同じ設定で、同じように終わるのに、この読後感の違いは何だろう?ラストは心に残らないどころか、自由が奪われお気の毒…とすら思ってしまった。ごめんなさい、作者さま。この本を読むには、私は汚れすぎているようです。2021/05/05
寧々子
10
何不自由なく暮らす飼い猫と「しっ!(スキャット)」と追い払われ、スキャットと名前がついた猫との対比が、物語の中で続きます。 快適なお部屋で寝る飼い猫に対してスキャットは固い敷石の上で寝たり、自分専用の物を持つ飼い猫に対してスキャットは何も持っていなかったり・・・ けれど、スキャットは自分の暮らしに嘆くことなく、むしろ楽しんでいるみたい。 飼い猫の暮らしには禁止事項があるしねぇ。 だから、意外な結末には驚かされました! でも、穏やかな満ち足りな顔をしたスキャットの顔を見ると、良かったなぁと心から思えました♪2015/02/17