内容説明
未知の世界に生まれでた赤ん坊も、愛され世話されることを通じて、人を信頼し、好きになることを覚える。このようにしてできた“心のきずな”が愛着である。多くの赤ん坊にとって最初の愛着は母親に対してであり、乳児期によい愛着が形成されるかどうかが、その後の人間形成に影響を及ぼすといわれている。愛着は、どのように形成されるのか?保育園児の母子関係は、家庭児と比べて違うのか?愛着の不思議を解きながら、よい母子関係とはどういうものか考えていこう。
目次
序章 人間社会への適応
1章 はじめての人間関係
2章 愛着の形成
3章 愛着の成立―満1歳児の愛着の評価
4章 愛着の発達
5章 保育園児の愛着の発達
6章 愛着の発達にかかわる要因
おわりに―望ましき母子関係を求めて
感想・レビュー
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恋
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発達心理学の本というより、愛着行動、特に母子関係の幼児期における愛着行動(母親との分離や再会、関わり合いにおける反応)について、ストレンジ・シチュエーションという心理学の授業でよく聴く、母子を分離させ再会させた場面での実験を元に詳細に考察した本である。1987年、私が1歳の時に出版された本で、当時私は幼児。人は皆、特別な他者(特に母子関係)を経験しており、やがて自身も子を迎える可能性を持つ。育児本と学術書の中間と捉えられた。私は生涯に渡る他者への愛着行動に関心があるのだが、この本の内容は幼児に限定される。2018/11/11