内容説明
この地球における生命の自然史の中で、ヒトはどのように誕生したか―ヒトとサルはいつ分かれたか―はたしてヒトの生命は、他の生物と比べて“特異”か?生命科学の中でも特に発展めざましい分子遺伝学の世界的権威が、遺伝子を対象とする自身の研究成果をふまえて、これからのテーマに答える。そして自然科学の立場から、バイオテクノロジー時代における、ヒトの尊厳およびヒトとヒトの関係をめぐる今日的な倫理の確立へ向け、その拠るべきグラウンドを提示する。
目次
1 ヒトはどこから来たか
2 ヒトとチンパンジーの遺伝子は、よく似ている
3 ヒトはなぜ裸になったか
4 地中海で何かが起こった!?
5 分子進化を調べる
6 IgE遺伝子によると、ゴリラよりチンパンジーがヒトに近い
7 生命の設計図は、全生物が同じ言葉で書かれている
8 生命は、ヒトも含めて一つの流れの中で生じた
9 進化は“進歩”とは関係なく、むしろ“変化”に近い
10 ヒトが優れた生物であることの科学的根拠はない
11 遺伝子操作をめぐって
12 ヒトの生命が尊いとする仮定は、どこから生まれるか
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