感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NICKNAME
18
かなり昔(20年近く前?)に読んだ本です。著者がNHKの番組に出ていたので読んでみました。とにかく難解でした。唯識思想というものは仏教の中のものですがとても哲学的です。そもそもブッダの教え自体が哲学的ですが、唯識思想とはブッダの教えを元に考えられた思想で専門用語も沢山ありしっかり体系化されているものの様です。三蔵法師がインドから中国に持ってきたものだそうです。2019/01/11
木麻黄
3
意識の奥底に、阿頼耶識という力動を実在として仮定する考え方は、中観派の空の思想とは相いれないように見えますし、実際歴史的には長い間大論争となりました。ところが、両論は著者が「唯識思想は空の思想の直系」と解説するように、次第に融合する方向へ向かっていきます。仏教が哲学から宗教へと衣替えした瞬間でしょうか。唯識思想が空思想に違背しないという説明は、残念ながら不十分であり、論証には物足りなさが残るというか、かなり非科学的です(著者自認)。最後には、悟りなくして理解なしとの落ちとなり、いろいろと残念な一冊でした。2019/03/09
廃
3
唯識論は空の思想と共に大乗仏教の思想で“唯心論”である。独我論から脱しようとすれば素朴実在論や物理主義に行くか、あるいは自他の区別は本来ないとか、我はないとかそういう方向に行くかであろうと考えたので、唯識論についても当然関心を持つわけなので読んでみた。仏教の経典や論書は相当な数あるから、本書もやや詰め込みにはなっている。 仏教ではよく方便が使われるようだが、ほんとうはどうであるのが真意かというのは未だに掴めない。おそらく直接言葉で語られることはないものだろう。
非実在の構想
1
世界は認識でしかないという部分はよくわかるのだが、その先の対象の外在性を否定するところは相変わらずしっくりこない。夢の話でも納得できない。禅定のあとの悟った世界の話をしているのだろうから、同じ光景がみえるよう実践に励もうと思う。2016/11/20
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