出版社内容情報
〈文学を変えた「言文一致運動」、そこには落語が大きく関わっていた!〉
〈明治の名人の噺を味わう唯一の方法「口演速記」の魅力に迫る〉
寄席に行かずに落語を知る画期的な方法として明治期に生まれた「口演速記」。三遊亭圓朝ら当時の人気落語家の速記本は好評を博し多くの読者を獲得しました。一方、二葉亭四迷らの言文一致運動にも多大な影響を与え、日本近代文学史上においても重要な役割を果たしています。演芸速記の誕生秘話や発展の歴史、そして坪内逍遙、夏目漱石ら作家たちとの関わりなどを解説しながら、明治期の落語を現在に残す第一級の史料である口演速記について考察。文学ファンのみならず、ディープな落語ファンの要求にも応えます。
内容説明
「言文一致体」誕生のきっかけとなった演芸速記本、その人気は新たなエンタメのニーズを生んで…。新聞による「文豪囲い込み」、国産ミステリー誕生秘話など文芸史うんちくも満載!
目次
1章 演芸速記と言文一致の誕生(速記第一号!怪談牡丹燈籠;三遊亭圓朝が明治にもたらしたもの ほか)
2章 高座を「読む」人情噺(やまと新聞と演芸速記;消えた江戸の幽霊、累とお岩 ほか)
3章 「伝える」ための試行錯誤(江戸後期から幕末までの口語体;江戸っ子と文芸 ほか)
4章 小説と話芸速記の境界線(演芸から小説、小説から演芸;伝説の『百物語』を読む ほか)
5章 演芸速記を読んでみると(絶滅危惧種の速記本;落語は文学か)
著者等紹介
櫻庭由紀子[サクラバユキコ]
各媒体の執筆、創作を行う文筆家・戯作者。伝統芸能、歴史(江戸・幕末明治)、日本文化の記事執筆の他、ドキュメンタリーなども手掛ける。噺家・三遊亭楽松の女将として、同氏のサポート兼広報などとしても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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