出版社内容情報
〈われわれの生活はどこからやってきたのか〉〈日本・朝鮮半島・中国。近代風俗からわかる文化の差と溝〉
東アジアにおける現在のライフスタイルは、近代以降、西洋の文物が地域ごとに独自に根付づく中で生み出されてきました。本書では、日本を中心に、中国や朝鮮半島の衣食住、生活風俗の近代化をヌード、ストッキング、婚礼衣装、日本映画など、意外な切り口から問い直します。現代の生活風俗に辿り着くまでの道すじ、その差異を比較することで「近代化」というワードではひとくくりにできない私たちの生活を再発見できる一冊です。
内容説明
われわれの生活はどこからやってきたのか。中国、朝鮮半島、そして日本における衣・食・住、生活風俗の近代化を「ヌード」「ストッキング」「婚礼衣裳」など、15のテーマで問い直す。
目次
1部 身体(ヌードの東アジア;ストッキングの戦後―「もの」をめぐる心性史の試み ほか)
2部 装い(カフェー・女給・エプロン―図像資料から読む;近代中国女性の婚礼衣裳における洋風化―ベールの受容を中心に ほか)
3部 空間(ダンスホールの「植民地」―日本の「西洋化」と日本をとおした「西洋化」;変身しつつ持続するオンドル ほか)
4部 映像(「白」と「黒」の近代―写真花嫁とスピンオフしたモダニティ;絵はがきにみる「風俗」としての洗濯 ほか)
5部 ミセラネア(井上章一的風俗史―風俗・民俗・土俗)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ta283
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ヌードに関するのは最初だけです2023/10/01
わす
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ヌードにまつわる話は最初だけ。以下メモ:江戸期の日本には女性が公の場で裸になることを躊躇しない文化があったので、明治に入っても中国や韓国ほどヌードモデル探しに苦労せず、西欧の裸体美術を受け入れやすい土壌があった。広告に裸体やセミヌードが描かれ始める時期も両国と比べて早い。戦後すぐの日本でナイロン靴下は高級品であり女性の憧れだった。後ろのシームラインは製法上の都合からできる縫い目に過ぎなかったが、普及するにつれそこに独自の美意識を見出していった。60年代に入ってからはシームレスストッキングが主流に。2023/09/14