内容説明
街に憩いあり、喫茶店に歴史あり。各時代のキーマンをたどった、「京都のコーヒー」の物語。
目次
第1章 京都の喫茶史を紐解く―1868‐1945(明治維新と京都のコーヒー事はじめ;文教都市・京都と学生街のミルクホール ほか)
第2章 喫茶文化の醸成と焙煎卸業者―1945‐1960(戦後の復興を告げたコーヒーの香り;新たな歓楽街に生まれた名物喫茶 ほか)
第3章 喫茶店の派生と新時代の予兆―1960‐1990(学生運動の拠り所となった喫茶店;多様化する「日常の娯楽」の場 ほか)
第4章 カフェブーム到来とコーヒーの進化―1990‐2010(フランスの波とカフェブームの到来;世紀の変わり目に現れたカフェシーンの先駆 ほか)
第5章 歴史を受け継ぐ者―2000‐2020(古都ならではの町家リノベーション;老舗の継承とグローバル化の波 ほか)
特別対談 喫茶店から“京都っぽさ”を探してみれば―木村衣有子(文筆家)×田中慶一
著者等紹介
田中慶一[タナカケイイチ]
1975年、滋賀県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。神戸の編集プロダクションを経て、フリーランスの編集・文筆・校正業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キョートマン
25
京都の喫茶店文化は強い。だけども「惜しまれ閉店」しているところも多いのは事実だし、ここ数年でも何件も無くなっている。思い立った時に行かなければならないな。2022/02/03
Roadblue
11
大学入学から7年間、ワールドコーヒー近くの銀閣寺界隈に住み足繁く通った。通勤途中にはイノダコーヒにもよく寄った。特にワールドコーヒー。改築後はイメージが変わったが当時は蝶ネクタイの男性ウエイターのみで質実な感じ。時の移ろいを感じるけどコロラドチェーンを運営し、現在のドトールと東西を分け合っていたことなど露知らなかった。小川珈琲、フランソア喫茶室は駅近でもあり今もよく行く。今も何気に藤田嗣治が店に持ち帰ったパリ市街図があるのが嬉しい。数えればきりがない京都の名店の数々、変遷もまとめてくれていて嬉しい本だ。2021/04/30
アメヲトコ
6
2021年刊。京都はコーヒーのレベルが高い都市でもあります。本書は戦前のミルクホールやカフェーから2020年まで、百花繚乱な京都の喫茶店の系譜を解説したものです。あのお店とあのお店はこういう影響関係にあったのかと勉強になります。姜尚美さんの『京都の中華』と同様、これもまた食を軸にした京都の文化史になっていて、次はぜひ京都のパンの系譜学を読んでみたいところ。2023/08/19
たけとり
2
「京都コーヒースタンダーズ」の冒頭にある京都の喫茶店の歴史を、さらに詳細にまとめた本。明治維新後から2020年までの京都市内の喫茶店の歴史が綴られていて凄いのだけれど、P188とP189の文章がつながっていないので、落丁…というより編集ミスかな…? しかし大胆なミスだなぁ。校正さんいなかったのかな…。2022/01/18
meemee
1
カフェ、喫茶店、コーヒーの変遷が無理なく理解できる。 コーヒー苦くて苦手、と言うのは、今なら変わるかも?2021/06/22