内容説明
鬼、道祖神、火の神、オダイシサマ―日本各地の民俗信仰とその表象でもある年中行事に焦点を絞り、庶民のくらしと祈りのかたちについて、民俗学の立場からアプローチ。
目次
春(旧暦と新暦;めぐり巡礼と御朱印 ほか)
夏(茅の輪くぐりでケガレを祓う;祇園祭をめぐる二つの謎 ほか)
秋(津軽岩木山信仰とお山参詣;重陽は菊花の節供 ほか)
冬(師走の仏名会と節季候;討伐され祀られる鬼たち ほか)
著者等紹介
八木透[ヤギトオル]
1955年京都生まれ。同志社大学文学部卒業、佛教大学大学院博士後期課程満期退学。専攻:民俗学。博士(文学)。佛教大学歴史学部教授、世界鬼学会会長、日本民俗学会元理事、京都民俗学会理事・事務局長、祇園祭綾傘鉾保存会理事、京都府・京都市文化財保護審議委員ほか、多数歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Chicken Book
8
京都・祇園祭「そもそも、稚児とは祭礼で神霊の依代となる子どもを意味し、神の代役としての重要な立場を担う存在である」(77)鬼女伝説「鬼の出現の背後には、人間が持つ醜さや弱さが見え隠れしていると言えるのではないだろうか」2022/01/21
Yoshie S
3
民俗学ってやっぱり面白いな。小正月も農村ではとても大切にされていたり、掘り下げるまその土地の普通の暮らしに根付いていることを感じる。鬼の話もそう。 そういえば小学生のころよく狂言や遠野物語のような民俗の本を読んでいたことを思い出した。2022/11/28
はら坊
3
京都を中心に、日本の民俗行事とその伝承、信仰について概観したもの。 字が大きく、文体がわかりやすいため、初学者におすすめできる。 30の項目に分かれているため、興味があるところから読み進めても良い構成となっている。 ただ、紙幅の関係か参考文献リストが少ないため、さらに勉強を進めたい人にとっては物足りないかも。2019/12/31
Hiroki Nishizumi
2
季節毎のいろいろな行事の由来などがまとめてある。ただ紙面の都合の影響もあるのか、少々まとまりがなく感じた。2022/12/19
K
0
(2019,387)季節ごとに分けるのではなく、信仰の内容で分けたほうが私には読みやすい。例えば双体道祖神は冬でなくても立っているし、岩木山信仰もお山参詣だけが重要でもない。祭り(ハレ)と信仰(ケ)が混雑しているように感じる。2024/01/18