出版社内容情報
日本人に脈々と受け継がれてきた「おもてなし」の精神は、いかにして培われてきたのでしょうか。
本書では、「御成記」や「茶会記」、宣教師の記録、寺社の算用状、公家の日記など多様な史料から、中世の貴顕のおもてなしのかたちを探ります。「信長のお城自慢」「秀吉の華麗なる贈り物」など、天下人の接待や贈答の実際も紹介。われわれ現代人の感覚にも通じる先人たちの「おもてなし」を史料から伝わる肉声で読み解きます。月刊『なごみ』2016年連載の単行本化。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
28
戦国時代の宴会でのお酒の飲み方や食事、お持たせの習慣などが紹介されていて、面白かった。信長が宴会の食事の慣例を変えたとか、安土城の天主をライトアップしたとかいうのも初めて知りました。素性を隠して旅行中の島津家久に多聞山城の案内をする城主の話も面白かった。2018/03/25
G-dark
22
織田信長公は自分がもてなす側の時はとことん趣向を凝らしていた…というのが興味深いです。イエズス会の一行が派遣されてきた折には、自身も何度か顔を出して安土城を案内し、干柿を手土産に持たせたり。お客が帰る際、色とりどりの豪華な美しい提灯で安土城の天守閣をサプライズライトアップまでしたのだそう。自分がおもてなしをする側の時はお客に驚きと喜びをもたらすのが大好きなのに、自分がおもてなしをされる側になると様子は一変!大袈裟なおもてなしをされるのを好まなかったのだそう。知れば知るほど面白い人物ですよね、信長公って。2020/04/04
鯖
20
エッセイに近い感じ。使い捨てかわらけの土器の酒器は、唇がはりついて、剥がれちゃうから、一回舐めて湿らせてから使ってねというのがよかった。一度で使い捨てというのは暗殺防止もあるのだろうか。無駄や儀礼を省き、あったかいものはあったかくしてもてなす信長のお作法。長政のどくろに金箔はったやつは嘘でしたってのも読んだんだけど、この本ではホントになってた。どっちなんだろ。2019/06/16
tama
19
図書館本 友人が読んでたから 戦国時代に描かれた金閣寺の絵には全部の階に老若男女が満載!!うっそーっと言いたくなる。天皇がお出かけするときはお神輿に乗るんだね。だってさ屋根の上に鳳凰が付いてる!秀吉って自分が主人公で手柄話を能にさせたって、きっと客の前で演じたんだろうなぁ。「今日はまあまあの出来だな」とか言って。見せられる方はたまらんと思うが。Nifon Catange「日本気質」:招待された方ではなく、招待した側が「よく来てくれました」と感謝する気質のこと。なんかちょっとだけわかる気もする。2018/03/17
HMax
19
信長は戦国の世のおもてなしの方法まで変えてしまったんですね。見るだけの魚や冷たい料理から、本当に美味しい料理でのおもてなし。使い捨ての土器の器から、金泥漆や陶磁製の器へ。贈り物では珍しいもの、頂戴する際には不要な物を返す(予は非常に喜んで受け取りたいが、世の手もとでは動かし続けることはむつかしく駄目になってしまうだろうから)。秀吉も信長の物まねとは言うけれど、たとえポルトガル人が刀剣を見る目がなくても、優秀でない品物を贈呈することはできない。さすがは秀吉。2017/12/15