出版社内容情報
〈禅だけではない。宗教と茶の湯のほんとうの関係とは。〉〈〝新しい〟「茶道教養講座」全16巻。第15回配本〉
茶禅一味という言葉によって、茶の湯は長く禅宗との関係を中心に語られてきました。その理由は、日本に茶を伝えたのは禅僧栄西である、鎌倉時代の茶は禅宗寺院の茶礼である、わび茶の美意識は禅の美学である、とされてきたことによりますが、いずれも正しい歴史認識ではありません。翻って考えれば、日本の茶の湯は、宗派を問わない寺院との関りのなかで発展してきました。いままで語られてきた茶の湯の歴史を「宗教」という視点から問い直すとともに、浄土僧・珠光、キリシタン大名・高山右近、春日社神人・久保権太夫(長闇堂)の茶の湯観をたどります。
内容説明
茶の湯は長く禅宗との関係を中心に語られてきましたが、日本の喫茶は宗派を問わず寺院との関りのなかで育まれ、茶の湯に発展したものです。喫茶と茶の湯の歴史を「宗教」の視点から見直してみましょう。
目次
はじめに 戒律と儀礼としての宗教
第1章 禅と茶の湯を問い直す
第2章 古代日本の茶と仏教
第3章 南宋の仏教と茶礼
第4章 中世日本の喫茶と茶の湯
第5章 浄土僧珠光
第6章 キリシタン高山右近
第7章 春日社神人 久保権太夫利世
おわりに 近代の「茶禅一味」説
著者等紹介
神津朝夫[コウズアサオ]
1953年、東京生まれ。早稲田大学卒業。ドイツ・マンハイム大学に2年間留学。帝塚山大学大学院修了。博士(学術)。専門は日本文化史・茶道史。大学教員を経て、現在は著述業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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