出版社内容情報
次代に世界に伝えたい日本の至芸、文楽。人形遣い桐竹勘十郎のことばから日本の文化、心を知る。
内容説明
物言わぬ文楽の人形は、ふるえるような人間の心の奥底を伝える。
目次
傾城恋飛脚(孫右衛門)
寿式三番叟(三番叟)
新版歌祭文(おみつ)
妹背山婦女庭訓(お三輪)
本朝廿四孝(八重垣姫)
壇浦兜軍記(遊君阿古屋)
心中天網島(紙屋治兵衛・紀の国屋小春)
絵本太功記(武智光秀)
菅原伝授手習鑑(松王丸)
大塔宮曦鎧(斎藤太郎左衛門利行)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんすけ
32
文楽を観てこの本を読むと内容がすっと頭に入ります。中学生から文楽の世界に入り、ずっとその中で芸をみがいてきた人にこそ言える言葉が素敵です。勘十郎さんの視線の先にあるものをこの先も感じていきたいと思います。2017/10/09
fonfon
14
半ば写真集、半ば半生記。還暦記念出版といったところでしょうが、よどみなくお話される勘十郎さんの声が聞こえてきそう。こども時代のかわいいお写真から、最近の舞台まで、写真が楽しいです。苦労話はさらりと流しておられるけれど、天才とは、人並み以上の努力を継続できる人のこと、と、改めて実感します。玉男師匠が「お父さんも凄いし、師匠も凄いけれど、きみはどっちのマネもしたらいかん」とおっしゃった言葉が印象的。裏表紙のスタンプ原画もきれいな本。2014/05/12
えりまき
12
2022(270)人間国宝、文楽人形遣いの桐竹勘十郎さんと人形浄瑠璃のお話。カラー写真がたくさんあって、萌えます。大好きな狐忠信は白黒なのが淋しい。文楽の人形遣いは、足遣い10年→左遣い10年→ようやく一人前に差し掛かるまで25年の世界。奥が深い。「未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演」を楽しみます! 2022/10/30
びぃごろ
10
人形遣いさんが口上の係である。キメポーズの時は掛け声を発する事もある。黒衣でも人形役割の本人であり、逆にその他大ぜいのツメ人形を持つことも・・・ふむふむ。しをんの本にもあった(大阪市立高津)小学校との交流。5年生の3学期から稽古を始めて翌年11月に文楽発表会。12年続くが、その1年目に牛若丸を語った男の子が咲寿大夫だと!ほへ~。勘十郎さんも病を克服していたとは・・・漫画家になりたかったという腕は本物だ、スタンプ原画見事です。2014/06/24
こまt
6
人形遣いの桐竹勘十郎さんが語る演目、舞台の裏側など、今どっぷりと文楽にはまっている身には興味深い話が盛りだくさん。こういう話を読んでから芝居を見ると、さらに面白く見られるだろうなあ。2019/08/20