出版社内容情報
日本文化論の名著とされる『茶の本』。明晰な茶人の眼で挑み直したその新訳本を、没後100年の岡倉天心に捧げる。
〈さらりと読んで、「日本」を語ろう〉
〈茶人による新訳を、没後100年の岡倉天心に捧げる〉
近代の名著として名高い『茶の本』は、明治39年(1906)に岡倉天心(1863 ?1913)が英語で書きアメリカで出版した書物です。そのタイトルや、再編集された利休の逸話・切腹話が多いことから、「茶道」について説きおこした本とも思われがちですが、実は、ハラキリで欧米に認知されていた当時の日本人を、日本の文化を擁護するために、欧米でも飲まれている「茶(紅茶)」を引き合いに出し、理解を求める意向で執筆されたものでした。七章からなる本文は短いものですが、どう解釈するかは訳者に負うところが大きい書でもあります。今回は、茶の道学実を兼ね備えた筆者が原文に挑んだ、茶の湯関係者待望の一冊です。
【著者紹介】
大日本茶道学会 副会長
内容説明
明治39年5月に岡倉天心の『茶の本』がニューヨークで出版された。おりしも日露戦争に勝利した極東の小国に、西洋の奇異の目が向けられていた頃である。若くして欧米を視察し、中国、インドも見聞した天心は、東洋の素晴らしさを西洋に訴えようとした。東西共通の飲み物である「茶」を媒介にして。100年以上も前に書いたいまなお普遍の日本文化論、芸術論。
目次
第1章 人間性を盛る一碗
第2章 茶の流派
第3章 道家思想と禅道
第4章 茶室
第5章 芸術鑑賞
第6章 花
第7章 茶人たち
著者等紹介
田中秀隆[タナカヒデタカ]
1958年、東京都生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。茶名・仙堂(せんどう)。大日本茶道学会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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