目次
巻頭エッセイ 唐招提寺の蓮
現代へのメッセージ 鑑真和上の教え
唐招提寺の歴史
鑑真入京―難波から平城京へ
唐招提寺文学散歩
鑑真和上の手紙
鑑真和上の死と肖像
金堂平成修理工事に於ける調査の成果
貞慶・覚盛と釈迦念仏
著者等紹介
西山明彦[ニシヤマミョウゲン]
1951年、三重県生まれ。唐招提寺執事長、伝香寺住職、伝香寺学園いさがわ幼稚園長。1982年、龍谷大学大学院修士課程修了。2006年、奈良県教育功労賞を受賞する。2010年より唐招提寺執事長
滝田栄[タキタサカエ]
1950年、千葉県生まれ。俳優。文学座養成所から劇団四季を経て独立。執筆・講演など幅広く活躍。日本フォスタープラン協会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
90
”山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁” 誰か日本に仏法を伝える人来てください、とお願いした時の詩です。コロナ最初期に話題になりました。その後の感染爆発で吹っ飛んじゃいましたが。 歴史上は、大物、鑑真和上自身が来てくれたわけで。すごいなあ、弟子が二の足踏んでるのに。しかも15年間で6度目の挑戦での渡日。凄い情熱。2021/04/19
彼岸花
36
先月博物館を訪問し「鑑真和上座像」と対面を果たした。高貴で美しく首筋の皺の細部に至るまで生き写しのようだった。うっすら閉じた目は今にも開きそうで現世を案じているのか。命を賭してまでも日本へ仏教を伝えようとした偉業を言葉では言い尽くせない。人間は煩悩にまみれ、戒を守ることを果たさずにどうして望みを叶えられようか。執事長の世界は病んでいるという言葉が心に刺さった。唐招提寺の質素な佇まいは鑑真の精神そのものだ。和上像には魂が宿り、“祈りの形”として千年以上もの間全ての人々の安寧を願っているように思えてならない。2023/06/10
荒野の狼
5
全10巻の古寺巡礼奈良の第8巻は唐招提寺。半日あれば通読できるので旅の予習・復習に最適。本シリーズの最大の魅力であるカラー写真の建物、宝物、行事などの紹介は64ページで、本書は各仏像がどの建物に収蔵されているかが書かれている点がシリーズの他書と較べてよい。鑑真像から御影堂障壁画(東山魁夷)まで主要なものはおさえてあり、たとえば"天平の甍"として知られる「鴟尾(しび)」の説明も簡潔で明快。2021/06/20
ohmi_jin
2
殆ど歴史の中から忘れ去られた寺であったが故に唯一の平城京の遺構まで残る唐招提寺。面白かったのは「鑑真和上の手紙」で、なんとなく鑑真は航海途中で失明したと思っていたが、そもそも失明した、という記録自体少なく、あやふやであったことは驚きだった。2018/05/06