内容説明
称徳(孝謙)天皇は鎮護国家への思いをこめて四天王像を鋳造、四王堂に祀られた。こうして西大寺がはじまった。ふと何かを求めたくなって―迷いなく西大寺へ。
目次
巻頭エッセイ 答えのない旅
口絵カラー
現代へのメッセージ 持戒波羅蜜と十善戒
西大寺の歴史―聖武天皇が娘阿倍内親王に懸けた夢
女帝の心
西大寺文学散歩
慈父の造形―西大寺釈迦如来立像
経を篭めて、願いを込める
「矢の根」の絵馬
西大寺の法燈
著者等紹介
大矢實圓[オオヤジツエン]
1935年、京都府生まれ。真言律宗管長・真言律宗総本山西大寺長老・真言律宗大本山寶山寺貫主・長福寺住職。1946年、長福寺住職松本實道師の従弟として入寺。1959年、高野山大学密教学科卒業。1983年、西大寺執事。1999年、寶山寺貫主・長福寺住職に就任。2004年、東寺で後七日御修法大阿奉修。2008年4月、真言律宗管長・真言律宗総本山西大寺長老に就任、現在に至る
道浦母都子[ミチウラモトコ]
1947年、和歌山県生まれ。歌人。1972年、早稲田大学文学部卒業。学生運動の激しかった大学時代を詠った歌集『無援の抒情』で第25回現代歌人協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
82
近鉄で奈良に行く時、乗り換え駅は西大寺。駅近なので当然行ったことはありますが、”兎の眼”の財前童子、記憶がない。 今度読んでみよう。 キンキキッズの片割れが植樹した木があったのは覚えている・・2021/04/14
荒野の狼
2
「新版古寺巡礼奈良」シリーズ全十巻の第四巻は西大(さいだい)寺。本シリーズの一番の魅力は建築・寺宝などのカラー写真が掲載されている点で、本書も64ページが掲載。巻末に境内図を含む3枚のマップがあり、建物の位置と実際の写真を見比べるなどすると実際の訪問の予習・旅の思い出に重宝。p29で紹介されている釈迦如来像内の納入品のひとつの悲華経(ひけきょう)は、保存状態が悪く未だに未開披p123とのこと。2024/04/21
ohmi_jin
2
駅名としての方が有名な寺ではあるが、行ってみると落ち着いて散策できるいいお寺。アクセスは抜群なのでぜひもっと訪れてほしい。2018/01/06
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
1
孝謙天皇が金銅製七尺四天王像を安置するために建てようとしたが、聖武天皇の東大寺に匹敵するような西大寺にしようとプランが大きくなった説に、取り巻きが多いといろいろ大変だなあと思った。金銅四天王像の造立を発願すると同時にすぐ恵美押勝の乱を抑えにいった女帝の気持ちはいかに。 その四天王像も増長天に踏まれている邪鬼だけが奈良時代のままで、あとはすべて燃えてしまって再建のものとは少し皮肉な。2020/02/15