内容説明
筆者自らの束の間の“塀の中”体験譚「貝塚とスパイ」をはじめ、「立葵」「お天気」「かげろふ」ほか書下し8編と、尾張徳川家・徳川美術館館長、大学美術史講師の立場から美術界周辺のよもやま話を集めた『嘉堂みてある記』、情熱を傾けて取り組んだ茶壷研究の逸話『茶壷探訪記』を収録した初の随筆集。
目次
1 嘉堂みてある記(春過ぎ姫 玉の緒姫;美術史経済学?;姫紫苑;宋に渡った日本猿;山里の尼僧庵;ニセモノ再審請求;達磨と猿の御対面;国際文化交流とコンピューター;沸頭とトルソー;柿の木;美専;二通の竹千代書状)
2 立葵(貝塚とスパイ;立葵;ヤスコ・ハヤシ;ブランド;お天気;かげろふ)
3 茶壷探訪記(お化け見たさ;金花松花のあるも名物;南蛮渡来?の瀬戸茶壷;玉虫;松島落城;初花)