内容説明
カバにはカバの文化がある。ぼくは、生きものそのものをわかりたかった。動物たちのそれぞれの生きかたを、その動物の「文化」と呼ぶことはできないだろうかと、ぼくは考えた。クラゲの文化とか単細胞の文化とか、カバ文化、ライオン文化、昆虫文化といった具合である。そう考えれば、人間の文化も何かをつくるというような話ではなく、人間はどう生きているかという話になってくる。動物にも植物にも虫にも、そして人間にもそれぞれの文化があり、生きるための戦略がある。動物行動学者が世界を巡り、出会った不思議、暮らしの風景、人と自然との関係―ナチュラル・ヒストリーの視点で綴るエッセイ集。
目次
ぼくの諸国漫遊博覧記(マルクとフランとスイスフラン;フランス式フランス料理 ほか)
交遊抄 ボードワン先生とぼく(始まりはフランス語での講演通訳;生まれてはじめて飛行機に乗る ほか)
ぼくの博物誌(気だてのよいネコ、悪いネコ;ネコの幸せ ほか)
人間の文化、動物たちの文化(人間は偉くない;人間はどういう動物か? ほか)
著者等紹介
日高敏隆[ヒダカトシタカ]
1930年東京生まれ。東京大学理学部動物学科卒業。東京農工大学一般教育部・農学部教授、京都大学理学部教授、滋賀県立大学学長を経て、2001年より大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所所長。1982年、日本動物行動学会設立、長く会長を務め、動物行動学の発展を推進。京都大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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志村真幸
i-miya