内容説明
本書は、日本の生涯学習社会について考えていく際の一つの切り口を提供しようとするものである。生涯学習社会における「発達課題」と「資格証明書主義」の問題をとりあげることで、学校教育と社会教育を貫く総体としての生涯学習をとらえる。
目次
1 生涯学習社会の構築と「学校化」(学校教育改革の構図;発達課題と人間;資格証明書主義をめぐって)
2 アメリカの生涯学習社会(アメリカの教育改革のゆくえ;成人識字教育の展開と課題;生涯学習情報提供システム―ウィスコンシン州の場合;大学における「経験学習」単位の評価)
3 生涯学習システムを読み解く理論装置(世界システムのなかの教育;文化的・社会的再生産論とカリキュラム研究;E・ジェルピの生涯教育論)
4 生涯学習の社会学へむけて(日本社会と生涯学習政策)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
32
98年刊、資格社会論を探していて出会った本。公民館活動など社会教育の観点のみから語られていた生涯学習を、学校教育を含んだ人の生涯の学びととらえアメリカなど海外との違いや生涯学習政策を考察していく。◇「学び続ける社会」を目指しそれまでの学習歴をポイント化し評価されやすい環境を整備しよう、という政策(イギリスでその後実施)が話題に上るたび感じてきた違和感やイヤラシサを説明してくれてすっきり。学校教育を延長し生涯管理しようという考え方、主体的でなければ効果のあがらない社会人の学習とは相いれないということ、納得。2017/03/12
-
- 和書
- 博物館学史研究事典