出版社内容情報
明治から昭和を生きた柳宗悦は、朝鮮で美しい壺に出会うことで、暮らしの中の工芸品に価値を見出し、その美しさを世に伝えました。美を見ぬく目をもっていた柳は、美を追究する宗教哲学者でもありました。本書では、美しいものとの出会いを重ねながら美と芸術の分野で新しい世界を切り開いた生涯を、宗悦自身が語ります。
内容説明
柳宗悦は、常識にとらわれず美しいものを見ぬく目をもっていました。ふつうの人びとの生活道具に宿る美しさを世に知らせるために民芸運動を展開し、美と芸術の分野で新しい世界をきりひらきました。本書では、「美とは何か」を問いつづけたその生涯を、宗悦自らが語ります。
目次
1 芸術にあこがれる心 0歳~24歳
2 朝鮮を想う 25歳~32歳
3 「民芸」の誕生 33歳~38歳
4 民芸運動の使命 39歳~47歳
5 いまもつづく手仕事 48歳~55歳
6 きよらかな白蓮華 56歳~72歳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yooou
5
☆☆☆☆☆ こんなすごい人のことを自分は全く知らずにいたということに驚きあきれた。先が見えないぐらい遥かに続く道の扉がひらいた気分です2022/10/27
ara
2
何故、民芸品は美しいのか。 民芸品を作る人はあくまでも芸術として作るのではなく、 仕事の流れ作業として作成するにすぎないのに。これは、 個人の技や能力を超越した別の力が作用していると考えた。 その力が「他力」という考えかたである。 民芸品を作る工人は美など特に意識しないで仕事をしている。 逆に工芸品などは美醜を意識して創作するので、どうしても結果として作品評価が美醜の二元論に納まってしまう。 民芸品は美を意識しない工人による仕事の結果としての「他力」によって美しくなるのである。2024/06/17
jimataro
0
これは面白い!!こう書くと誤解を受けるかもだけど、みうらじゅんと柳宗悦はとても似ている。柳宗悦と民藝のことは知ってはいたものの、民藝だけではなく、文学や宗教、地域文化の保存活動など、何を大切にして行動したのかがよく知ることができた。なんとなく知ってるくらいという人にはぜひオススメしたい一冊。2023/02/09