内容説明
岡倉天心は、いまから150年以上まえに生まれ、日本ではじめての美術学校をつくりました。東洋の美術や思想のすばらしさを、アメリカやヨーロッパに紹介し、美術運動の中心となったのです。本書では、天心自らが、型にはまらず困難にひるまず理想を追求したその生涯を語ります。
目次
1 「天」の心臓の男―0~17歳ごろ
2 伝統日本美術と東京美術学校―18~28歳
3 中国への旅―29~31歳
4 日本美術院―31~36歳
5 インドへの旅―39~40歳
6 アメリカでの活動と『茶の本』―42~44歳
7 自然とともにくらす―41~49歳
著者等紹介
大久保喬樹[オオクボタカキ]
1946~2020。横浜に育つ。東京大学教養学部教養学科フランス科、同大学院比較文学比較文化修士課程を経て、フランス高等師範学校およびパリ第三大学に学ぶ。東京女子大学名誉教授。日本文学者。『岡倉天心 驚異的な光に満ちた空虚』(小沢書店)で第1回和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書記録(2018/10~)
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ジュニア向けの易しい本。子供のころ漢文・英語の素養を得て、両方の視点を持てたのは素晴らしい。英文出版の『茶の本』は有名だが、それより前の『東洋の思想』も面白そう。新渡戸稲造の『武士道』を皮切りに、いずれも明治30年代刊。五浦のくらしは羨ましい、「大海原のゆったりとしたリズムとひとつになるのが、なによりの楽しみ」(120頁)。自らを「五浦釣徒」と呼び、服も自分でデザイン。ボストン時代の服とか(123頁)、奈良時代の役人のような東京美術学校の制服(41、44頁)とか、本当におしゃれ。2022/05/02