内容説明
地上と宇宙にある万物が同一の法則に支配されていることを証明したニュートンの生涯。
目次
1 若き日のニュートン
2 アリストテレスの教義
3 「新科学」攻撃されるアリストテレス
4 光と色科学研究の舞台へのニュートンのデビュー
5 重力と運動の諸法則
6 大変抜きんでた市民
感想・レビュー
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夜間飛行
59
ニュートンは大学でアリストテレスを学びながら、ガリレオやデカルトから強い影響を受けている。存在は全て形相へ向かう(ドングリは樫へ、赤ん坊は大人へ)と生物学的に考えたアリストテレスに対して、自然は物質と運動から成ると機械的に考えたのがデカルトだ。ニュートンは、デカルト思想を補う微積分や万有引力を見つけ、物質が充満するデカルトの宇宙を力学的で空虚な宇宙へと改変していった。ロマン主義者から《偏狭で冷たい理性主義の象徴》とされたニュートンが、晩年はピタゴラスの「天球の音楽」や錬金術に惹かれていた事実も忘れるまい。2016/10/14