出版社内容情報
河川・湖沼・地下水・湧水…地表周辺の水や物質の動きを調べるための、お金のかからない調査方法を紹介。地球温暖化による環境の厳しい変化にこれから直面するとき、身近な水環境をテーマに自分の目で積極的に観察・観測して考え、環境問題の本質に迫る姿勢を養いたい。著者らは、学生指導のプロとして、地表周辺の水や物質の動きを調べるために、お金のかからない調査方法を紹介する。
はじめに
第?部 水文環境学の基礎的知識
1 降水と蒸発―地表と大気の間の水の流れ― 鈴木 裕一
1.1 水循環の始まり―蒸発―
1.2 水文循環のもつ意義
1.3 蒸発散
1.4 地表面への降水
2 河川の形状と河川流出 鈴木 裕一
2.1 河川流出が起きている場、河川流域の形状について
2.2 水系網について
2.3 河川の平均流速を求める式
2.4 河道への水の供給―河川流出の3成分―
2.5 河川流出量の変化について考える
2.6 ハイドログラフ
3 湖沼の世界 佐藤 芳?
3.1 成因、形状、水色、透明度
3.2 水温と循環
3.3 湖流
3.4 水収支
3.5 湖沼型
4 地下水の流れと汚染 安原 正也
4.1 ダルシ―流速(見かけの流速)と実流速
4.2 地下水の滞留時間と水質
4.3 地下水汚染物質と地下水中での挙動
第?部 現地調査の事前準備
5 現地調査の前に準備すべきこと 谷口 智雅
5.1 地図と文献、既存データの収集
5.2 服装や靴、携帯品の用意
5.3 計測機器などの事前準備
6 現地調査における道具・計測機器の基礎知識 李 盛源
6.1 現地調査における精度の重要性
6.2 水位計(水面計)
6.3 流速計
6.4 電気伝導度(電気伝導率)(EC)
6.5 pH
6.6 溶存酸素(DO)
6.7 簡単な水質分析
第?部 現地での調査方法
7 現地調査の記録 フィールドノートと略地図 谷口 智雅
7.1 観測位置の確認
7.2 フィールドノートの書き方
7.3 スケッチと写真
7.4 簡単な測量
7.5 調査地点と時刻の選定
8 水体の形状の計測 安原 正也
8.1 河川の形状
8.2 地下水の形状
8.3 湖沼の形状
9 降水量の測定 鈴木裕一
9.1 水収支のための降水量調査
9.2 流量の測定
9.3 蒸発散量
10 採取の方法 安原 正也
10.1 表層水の採取と採水容器
10.2 地下水・井戸の採水
10.3 特殊な採水法
第?部 現地での実践例
11 降水と蒸発散を調べる実践例 鈴木 裕一
11.1 流域への降水量と降水の水質の調査
11.2 流域からの蒸発散量の推定
12 川を見る―水系網を描いて考える― 鈴木 裕一
12.1 水系網を描いて考える
12.2 分水界の描き方
12.3 河川流出と水質
13 都市のなかの川を見る 安原 正也
13.1 都市の河川、桜かコンクリートか
13.2 河川の汚染と下水道整備
13.3 地下水を呑む呑川
13.4 都市河川の水質問題
14 湖沼を調べる実践例 佐藤 芳?
14.1 準備、目的と対象
14.2 調査計画
14.3 器材の準備
14.4 出発と到着、観測前の心得
14.5 観測 採水と測定
14.6 水温
14.7 採水
14.8 湖流
14.9 長期観測
14.10 宿舎で
15 地下水を調べる 李 盛源
15.1 地下水調査の必要性
15.2 井戸さがし
15.3 ベースマップとボーリング資料
15.4 地下水の測水調査
15.5 地下水面図の作成と地下水の流れ
15.6 地下水の水温と地中の温度
16 湧水を調べる 安原 正也
16.1 湧水地点を探す
16.2 湧水量の継続調査
16.3 東京の湧水を例として
おわりに
付録
索引
鈴木 裕一[スズキ ユウイチ]
著・文・その他
佐藤 芳徳[サトウ ヨシノリ]
著・文・その他
安原 正也[ヤスハラ マサヤ]
著・文・その他
谷口 智雅[タニグチ トモマサ]
著・文・その他
李 盛源[イ ソンウォン]
著・文・その他
内容説明
良質な水資源が得られる環境を維持し、水利用を持続可能なものとするためには、常に水環境を良好な状態に保っておくことが求められる。そのためには、「水の流れ」を理解し、的確に把握することがなにより重要である。本書では、地表やその周辺の水の動き、物質の動きを明らかにするために、安価な器具の利用で調査可能な、基礎的な調査法をまとめ、調査における知識や方法など一通り身につけられるように配慮した。
目次
第1部 水文環境学の基礎的知識(降水と蒸発―地表と大気の間の水の流れ;河川の形状と河川流出 ほか)
第2部 現地調査の事前準備(現地調査の前に準備すべきこと;現地調査における道具・測定機器の基礎知識)
第3部 現地での調査方法(現地調査の記録―野帳と略地図;水体の形状の計測 ほか)
第4部 現地での実践例(降水と蒸発散を調べる実践例;川をみる―水系網を描いて考える ほか)
著者等紹介
鈴木裕一[スズキユウイチ]
立正大学名誉教授。1947年東京都生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。理学博士
佐藤芳徳[サトウヨシノリ]
上越教育大学名誉教授。上越教育大学大学院学校教育研究科特任教授。1952年群馬県生まれ。筑波大学大学院博士課程中退。理学博士
安原正也[ヤスハラマサヤ]
立正大学地球環境科学部教授。1955年岡山県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。理学博士
谷口智雅[タニグチトモマサ]
三重大学国際交流センター特任教授。天津師範大学国際教育交流学院招聘教授。1967年神奈川県生まれ。立正大学大学院博士後期課程修了。博士(地理学)
李盛源[イソンウォン]
立正大学地球環境科学部専任講師。1976年韓国ソウル特別市生まれ。筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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