出版社内容情報
新しい農学の可能性を追究。
内容説明
21世紀の人類は、近代文明の背後にある市場主義、生産力主義の限界、いわば近代主義の限界はもはや明白であり、それを十分に認識し、乗り越え、新たな理念と方法の上に産業と科学技術を展開しなければならない。それには、私たちの日常的生活世界の体験や蓄積を基礎としつつ、改めて農林水産業および農山漁村社会の意味を問い、農学の課題と方法を明確にしなければならない。第1部はその展望を検討したものである。第2部では、日本における持続的農業、農村への現実と展望について、多角的に検討している。第3部は、アジア諸国における経済発展と農業・農村の現実を問うている。第4部は、国際化という急流の中で、欧米、アジア、アフリカ、中南米と、限りない多様性を示す世界の諸地域と農業や社会の現実を捉えようとしたものである。
目次
第1部 新しい農学の方法と可能性(農業の意味の変遷と「生物資源学」―農業・農学を再考する一視点;食・農・環境の未来への展望―大地と人間のつながりを取り戻す道 ほか)
第2部 日本農業への期待―その現実と新しい視点(遺伝子の知的財産制度と農業生産の関係―制度に内包される潜在的問題;農業分野における環境パートナーシップの課題―消費者側の協力と参加を促進する組織化支援法制の課題 ほか)
第3部 アジア経済の発展と農業・農村(日本と韓国における経済発展と食料安全保障問題;アジアの農業・農村開発と日本の経験 ほか)
第4部 持続的農村社会の多元性(農学研究におけるフィールドワークの方法論的考察;「混作」の構想力 ほか)
著者等紹介
祖田修[ソダオサム]
1939年生まれ。京都大学大学院農学研究科教授
大原興太郎[オオハラコウタロウ]
1944年生まれ。三重大学生物資源学部教授
加古敏之[カコトシユキ]
1946年生まれ。神戸大学農学部教授
池上甲一[イケガミコウイチ]
1952年生まれ。近畿大学農学部教授
末原達郎[スエハラタツロウ]
1951年生まれ。京都大学大学院農学研究科助教授
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