内容説明
本書は、日本体育・スポーツ経営学会において2014年に発足した「スポーツプロデュース研究」というプロジェクトが発端となっています。IOC(国際オリンピック委員会)総会にて第32回オリンピック競技大会の東京開催が決まった翌年であり、人々のみるスポーツへの関心が高まっていた頃です。この本は、「日本体育・スポーツ経営学会」が、観戦の楽しみ方の多様さ、社会や生活におけるさまざまな意味づけの仕方、いろいろと楽しめる環境づくりについて、一般の方々へ知ってもらおうと企画したものです。出版年(2024年)は先述のプロジェクト発足からちょうど10年目に当たります。世界中のあらゆる競技会で頑張る全選手に、観衆から大きなエールが送られ、栄光を称えられる。そういうスポーツの未来が来ることを私たちは夢みています。この願いは、当時のプロジェクトメンバーも、本書の執筆者も同じです。本書を読まれた方々が「スポーツ文化の未来をともにつくろう」と考えるきっかけに、本書が少しでもなれたら嬉しく思います。
目次
第0章 「スポーツをみる」とは何か
第1章 スポーツをみる人たち
第2章 スポーツ観戦の価値とその向上
第3章 スポーツをみる力
第4章 スポーツ鑑賞のすすめ
第5章 スポーツ批評の眼差し
第6章 スポーツ観戦の振興が実現する「豊かなみるスポーツライフ」
第7章 「みるスポーツ施設」の歴史と観戦体験
第8章 スポーツ観戦を科学し、未来を見通す―執筆者座談会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すいか
3
スポーツ観戦に当たって、単なる勝敗や記録、地元意識、アスリートの個人的エピソード、果ては商業的価値やナショナリズムと、競技そのものよりもその背景や周辺にばかり視点がいきがちな観戦者は少なくないし、そうした傾向はスポーツの価値そのものを貶めかねない。スポーツを「見る」対象として、競技そのものを鑑賞するために観客の「鑑賞力」を向上させ、スポーツに文化としての価値を付加することで持続、発展させようという提言。スポーツ観戦を趣味とする立場からはいろいろ考えさせられるものがあった。どうしてもポジティブな面ばかりが→2024/09/13
神田智弘
0
スポーツを見るという文化を田舎の町まで広めたいと思い活動してます。とても参考になりました。2024/12/30