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出版社内容情報
何世紀もかけて、岩だらけの島を花一杯のエデンの園に変えたイギリスのガーデナー。そのガーデニング文化を俯瞰する、初の試み!
飯田 操[イイダミサオ]
内容説明
修道院の思索の庭から、権勢誇示のため贅を尽くした整形庭園へ、そして不屈のイングランド精神を主張する風景庭園から、「古き良きイングランド」の象徴であるコテージ・ガーデンまで、何世紀もかけて、岩だらけの島を花いっぱいのエデンの園に変えてきた、「ガーデナー」の国民と庭園とのつきあいの歴史をたどる。
目次
序章 岩だらけの島をエデンの園に
第1章 海を越えてやってきたもの(一六世紀以前)
第2章 王侯貴族の大庭園と大陸文化の影響(一六世紀から一七世紀)
第3章 イングランド式風景庭園と自国意識の高まり(一八世紀)
第4章 大英帝国の庭と植物(一九世紀)
第5章 新たなイングリッシュ・ガーデンの誕生(一九世紀末から二〇世紀初め)
第6章 「ガーデナーの国民」の成立(一九二〇年代以降)
終章 「ガーデナーの国民」の真相
著者等紹介
飯田操[イイダミサオ]
1946年兵庫県生まれ。広島大学名誉教授。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
28
研究書なので、読むのに時間がかかった。中世から現代にいたるまでの庭の変遷史。これまでの著書も含め、パブ、犬、そしてガーデニングが産業革命以降の労働者階級の娯楽として支配階級が誘導し、イングリッシュネスを形成してきた側面が理解できた。修道院⇒貴族(イタリア式やフランス式の権勢を誇示する庭園)⇒庶民によるコテージガーデンへ。造園は職業から趣味へと変遷していく。元々イギリスには在来種が少なく、プラントハンターが世界に種子や苗を集めに行き、花ばかりではなく、プランテーション作物が拡散していったのは興味深かった。2016/10/07
志村真幸
0
本書は、イギリスの庭について古代から現代まで、通史的に眺めたもの。非常に研究蓄積の多い分野だが、多様な研究や資料を渉猟し、著者なりの視点から総合している点に価値がある。 イギリスの庭は時代ごとに大きく変わってきた。しかし、明確なイギリスらしさが通底しているのも事実である。それらを庭師、植物の海外からの移入、ガイドブック、屋敷や家の構造、王と貴族たちとの関係、野菜、戦争など多様な要素から考察している。 イギリスの庭の歴史に関する、きわめてよくできた入門書/概説書だと思う。 2021/07/15
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