内容説明
日本の英語教育はそんなにダメなのか?少し歴史を調べてみれば納得できることもあるのに、それもしないで、世間の人たちは気ままに英語教育批判を繰り返す。本書はそれに対する、一英語教育者からの異議申し立てである。
目次
イギリス船がやってきた―英語学習ことはじめ
日本人にとっての英文法
カナ発音はどこまで通じるか
唯一の国産教授法「訳読」―教授法(1)
輸入教授法の時代―教授法(2)
制度としての英語教育―学習指導要領(1)
授業時数と言語材料・言語活動―学習指導要領(2)
戦前の「リーダー」―教科書(1)
戦中・戦後の「コース」―教科書(2)
試験問題の変遷と受験英語
世界に誇れる学習英和
御雇外国人からATLまで
小学校英語の歴史は古い
英語教師が読む雑誌
日本人にとって「英語」とは
著者等紹介
伊村元道[イムラモトミチ]
1935年生まれ、静岡県藤枝市出身。東京教育大学英文科卒。玉川大学教授を経て、現在は拓殖大学大学院客員教授。(財)語学教育研究所所長、日本英語教育史学会会長
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感想・レビュー
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かおりんご
27
レポート作成のために読む。が、英語教育がどうやって行われてきたのかがわかり、面白く読めた。特に、戦時中のリーディング教材が、当たり前だけれど戦時色を反映していて、興味深かったです。宮城礼拝や大東亜戦争までも英語化されていましたし。戦時中は敵性語として英語が禁止されていたとばかり思っていましたが、実際は授業があったようです。もっとも、学徒動員やら度重なる空襲やらで、英語に限らず授業そのものがなかったようですけど。さて、がんばってレポートにまとめますよ。2017/08/09
Riopapa
5
明治初期の発展途上国的な学問環境が、先人たちの努力で日本語化されたことが、いい意味で日本人の英語力を向上させなかった。現在、また高等教育の英語化が進められつつあるが、これはグローバル化なのか発展途上国化なのか。2015/08/14
鈴華
0
卒論の参考文献として。