出版社内容情報
古代中国に花開いた諸子百家の中でも独自の地位を占める『老子』と『荘子』が説く「道」の思想を平易に説き明かす「老荘思想」入門。
内容説明
老子の説く「無為」の境地とはいかなるものか?荘子が語る「胡蝶の夢」や「大鵬説話」は何を表しているのか?―そもそも「道」とは何か?老荘の言葉を縦横無尽に読み解きながら、「道」の思想の本質に迫り、その核心を説き明かす。
目次
序章 老荘思想へのいざない
第1章 老荘思想とは何か(老子の思想;荘子の思想)
第2章 老荘思想をめぐって(“時間”と“空間”をめぐって;“夢”をめぐって;“神話”をめぐって)
著者等紹介
舘野正美[タテノマサミ]
1954年東京生まれ。日本大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。日本大学文理学部教授。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
19
老子荘子それぞれに記された道というそれについて、解説を加えた本でした。老荘とまとめられているものの、アプローチは随分と違う様子で、老子から見ると荘子はいささか語りすぎじゃないかという印象を受けました。東洋の古代哲学の大切な部分に触れられるようで楽しい読書になりました。2018/01/13
Phycology
5
天地自然と無為の考え方。私に固執しないことが私を成すということ。無為なる修行を通じてわが身の真実なる「道」を開く。道家の思想の魅力を書き下し文で伝える分かりやすく、奥に入ってくる理解が(たぶん)できる良書。老子、荘子よりも荀子による理性の限界話が面白かった。2011/05/04
はとむぎ
4
大学時代 中国の思想は、睡眠の時間だった。 今回、再挑戦と思ってトライ。結果は、深遠すぎて、またもや撃沈。 少しだけど、学んだこと。 人の認識は、過去、知識、感情などによって歪められる。心静かに落ち着いて物事に取り組みたい。2022/01/01
エンゼルフレンチ
3
老子・荘子といえば、「道」「無為自然」「万物斉同」。…という風に言葉にすると何かが分かったような気になるのだが、それが一番「道」から遠い状態なのだ。理屈に頼っていては決して真理には到達できない。本文で何度も繰り返して強調されているように、やはり厳しい身体の鍛錬(特に呼吸=気の操作)を経由する他ない。息を深く吸い込み、リラックス。そして心身ともに柔らかく、水のように生きる。…いや、その「極意」すらもただの言葉だ。それ自体に価値はない。ただこの目の前の一瞬を、身体を使って、捕える。いやそれも言葉で…。寝よう。2025/07/17
Darbytime
1
非常にわかりやすい道の本。言葉ではなく体験しなければ真に理解できない「道」。それは「梵我一如」や「解脱」と同じだと考えると、国を超えて達人たちがたどり着く境地が存在するんだなと思えた。2014/02/22