出版社内容情報
縦書きと横書き、表記と正書法、小学校英語などの多彩な話題を通して、国語を尊重する文化的ナショナリズムの異議を論じる。
内容説明
「堅実な生活と思想をもつ国民は、文化的ナショナリズムをもつのが当然である。」『思考の整理学』の著者が放つ、渾身の国語論。
目次
国語と日本語
悪魔の言語?!
「私」の問題
文字
タテとヨコ
よみ・かき
聴く・話す
言文一致
段落とパラグラフ
正書法
敬語
俳句的
あいまいの美学
古典
散文
ことばの調子
英語の授業
国語愛・文化的ナショナリズム
著者等紹介
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授を経て、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
31
明治維新により拝外思想がはびこって、国語は半ば死にかけた。戦後その意識はさらに強くなり、外来は清新であると決めてかかる幼い知性が育まれた。おじいちゃん先生外山先生の「文化ナショナリズムである国語を大切にすべき」という思いが詰まった1冊です。確かアイスランドでは外来語は全て、自国の言葉に置き換える法律があったはず。フランス人は英語話せるくせにフランス語で返事を返してくる。カタカナ言葉を混ぜまくって話す知識人にムカッとするわたし。みなさん、国語は好きですか?2018/12/28
壱萬弐仟縁
26
成績はイマイチで、嫌いでした(苦笑)。TIME誌の日本語は悪魔の言語、という記事で、外山先生はナショナリストになった気がしたという(22頁)。鈴木孝夫先生の日本語教のすすめを思い出した。日本語を発信していけばよいだけの話だ。TPPばかり大手を振ってまかり通るのはおもしろくない、と外山先生は反感を感じておられる(42頁)。アメリカの言いなりなだけに、同感である。日本語はタテに書くようにできているのでヨコ書きにしてノートをとれば、文字が崩れる(55頁)。 2014/10/25
俊
25
著者の国語(日本語)に対する思いを綴ったエッセイ集。日本語は日本の文化そのものであり、言語としては懐が広く、柔軟で優れている。しかし、その反面、曖昧で揺れが大きく、受け手に高度な知性を要求する非常に難しい言葉でもある。かつて外国人が難解さから日本語を「悪魔の言語」だと言ったらしいが、その気持ちも少し分かる気がする(笑)。著者の言う文化的ナショナリズムの大切さには全面的に同意。ユーモアあり、若干の毒ありで面白い本だけれど、著者の意見については賛否が分かれるかもしれない。 2014/10/05
和草(にこぐさ)
14
国の語だから国語。国の歴史だから国史だが、今は日本史。うーん、もっと自分の国の言葉を大事にし、誇りを持ち、相手(外国)に対して胸を張って接しなさい。ということかな。2014/10/15
ぴょこたん
13
外山さんと言うと入試に良く使われる人という印象だが、まさにそんな感じ。短くまとめられた意見と、はっきりした根拠。でも、前半は意見が強すぎて今までより論理的ではない、浅い印象を持った。御歳90歳を越えているせいなのかな?(まあ私の読解力の方に問題があるのだろうが)。でもでも、古典やことばの調子に関する考えは素晴らしいと思った。出典は何なのだろう?書きおろしなのかな?今後も長生きしていただき、国語の監視員としてがんばっていただきたいと思います。2014/10/04