内容説明
「発音」、語彙、文法、表現をやさしくわかりやすく解説。待望の日本手話の文法入門書。
目次
1 日本手話の音と形(発音のしくみ―日本手話の「音」?;ミニマル・ペア―“黄色”と“なるほど”;音素と異音―“歩く”ときに親指が立っていてもOK ほか)
2 日本手話の文法(CL(classifier)とは―神の視点と人間のおこない
CLと固定語彙―“跳び上がる”ほど“びっくりした”
名詞―“飛行機”と“飛ぶ” ほか)
3 日本手話らしい表現(代名詞に男女の別―彼と彼女;手段を含む動詞―日本人は箸で食べるんだなぁ;日本手話の口型―パ・ピ・プ・ペ・ポ、その他 ほか)
著者等紹介
岡典栄[オカノリエ]
東京大学文学部言語学科、国立リハビリテーションセンター学院手話通訳学科卒業、英国ケンブリッジ大学言語学修士(M.Phil.)、一橋大学大学院言語社会研究科修士(M.A.)。現在、明晴学園事務長、東京経済大学非常勤講師、一橋大学大学院博士後期課程在学中
赤堀仁美[アカホリヒトミ]
ろうの両親から生まれたろう者。静岡県立沼津ろう学校普通科卒業、株式会社NECソフトウェアなど一般企業を経て、現在、NPO法人手話教師センター理事兼手話教師、学校法人明晴学園手話科主任、東京大学非常勤講師、NHK手話ニュースキャスター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいろ
27
薄いのに、わかりやすく書いてあるのに難しいー。動画サイトで見比べながら、読みながら、実際動きを真似ながら。眉や顔の上げ下げなど意識して読み取る・表現できるようになりたいな。何度も何度も読み返すと思う。2016/04/23
pulpo8
17
やっぱり日本手話は日本語対応手話とは違う文法を有していた。色んな人に「手話の語順は大体日本語と同じ」とか言ってしまった…。NHKみんなの手話テキスト(一昔前のやつ)を見るとそんな気がしてしまうのだが。受け身、使役のロールシフトは実際にあったことではないので訳す時注意か。学習者はいつの間にか文法的に意味のある表情(でも日本語の意味合いとは違う)をしてしまっている可能性が…(しているなぁ)このへんも注意しなければ。ますます奥深いが、いつか本当に理解できる日が来るのだろうか、と懐疑的。繰り返し読みたい。2018/05/27
みっふぃー
7
勉強になったので買いたい。2020/10/15
dove
6
手話言語学の本。文法分析や音韻、敬語など手話学習者には必読なアカデミックな学術書といっていい。
りょうちん
5
日本手話の文法を説いた本。考えるまでもなく日本手話にも文法はありました。他の本で初めて知った「CL」について、受け身、使役、ロールシフトなども、さらにはもっと細かいことも解説されていました。手話には「てにをは」が(おそらく)ありません。主語、目的語などを表現方法もよく理解できませんでした。また、手話は動きと空間を使う言葉なので、言葉と写真だけだと分かりづらいことも多いため実際の動きが想像しにくい箇所があります。でも、これらはぼくの理解力の足りなさが原因です。サイトの動画を活用して理解を深めたいと思います。2024/05/21